Xファイル シーズン1『第九話:宇宙』感想・解説|英雄の苦悩と時代を映す一編

Xファイル シーズン1 あらすじ感想ネタバレ

Xファイル第9話のタイトルはずばり『宇宙』。

舞台はNASAのスペースシャトル計画。90年代といえば、宇宙開発がアメリカの誇りだった時代。その輝きの裏側に、不気味な影を落とすのがこのエピソードだ。

登場するのは元宇宙飛行士のベルツィク大佐。アメリカのヒーローとして称えられた彼の顔に、「得体の知れないもの」が憑依している…。

国民的英雄が怪物と化してしまう不条理、そしてNASA内部の不祥事と隠蔽。

焦げ団子

まさに“汚い宇宙兄弟”と呼ぶにふさわしい。

派手なUFOや陰謀よりも、「人間の中の闇」を宇宙規模で見せてくる変化球回。野心的でありながらチープさも目立つ、Xファイルらしいクセの強さが炸裂している。

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主要キャラクター紹介

⚪︎👨‍💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。

⚪︎👩‍🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。

⚪︎👨‍🚀 マーカス・アウレリウス・ベルト中佐
元宇宙飛行士で、アメリカの宇宙開発の象徴的存在。モルダーにとって憧れのヒーローだったが、過去の宇宙飛行で不可解な体験をして以来、謎の幻覚に苦しみ続けている。英雄の影に潜むトラウマを体現するキャラ。

⚪︎🛰️ ミシェル・ジェネヴォー
若手NASA職員で、NASAの内部にいる何者かが宇宙船の発射を妨害していると睨みスカリーたちに調査を依頼する。

⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。

⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。

今回紹介するお話が載ってるブルーレイはこちら

目次

Xファイル『第九話:宇宙(Space)』ネタバレあらすじ

Xファイル『第九話:宇宙』感想・解説|英雄の苦悩と時代を映す一編

シャトル打ち上げを脅かす影

モルダーとスカリーはNASAのスペースシャトル計画に関わる「破壊予告」の捜査を依頼される。打ち上げ目前のシャトルを守るため、二人はヒューストンへ向かう。

宇宙飛行士マーカスの告白

現場で出会うのは、元宇宙飛行士で今はNASAの管制にいるマーカス大佐。彼はかつて宇宙遊泳中に“何か”を目撃し、それ以来、自分の中に恐ろしい存在がいると語る。

顔が歪み、怪物のような影が浮かび上がるシーンは不気味そのもの。

スカリーの違和感

スカリーは破壊工作の裏に「内部犯行」があると疑い、マーカスがシャトル計画を妨害している可能性を探る。しかしモルダーは彼の言葉に耳を傾け、「宇宙から来た存在」が関与していると信じ始める。

焦げ団子

モルダーは通常運転

迫る打ち上げの危機

シャトル打ち上げのカウントダウンが進む中、管制室には再び謎の影が現れる。マーカスは自らの内なる怪物と必死に戦い、最後は自らの命を賭けてシステムを守ろうとする。

英雄の最期

マーカスはシャトル打ち上げを守り抜くが、彼自身は“影”に蝕まれて命を落とす。国民的英雄が不気味な怪物と化し、最後に自らを犠牲にする姿は、NASAの栄光と闇を象徴するような幕切れだった。

Xファイル『第九話:宇宙(Space)』感想・見どころ

英雄と怪物の二重性

モルダーが少年時代から憧れていた英雄・ベルツィク大佐が登場する。NASAの象徴だった彼が、宇宙で“何か”を見て以来、内なる怪物と闘う姿は悲劇的であり、人間ドラマとしての深みがある。モルダーにとってはヒーロー崩壊の瞬間でもあり、観ていて胸が痛む。

焦げ団子

子供の憧れが宇宙怪物おじさんになって帰ってくるとかトラウマだろ


時代感バリバリのセリフ

「ソ連が消えて少しは平和になると思ったのに…」というセリフが飛び出す。冷戦終結直後の90年代初頭、アメリカが宇宙開発を軍事から科学へ切り替えようとしていた時代背景が、そのまま刻まれている。これが今観ると逆に新鮮で、歴史資料みたいな味わい。

焦げ団子

ソ連消滅=平和、って発想がまんま90年代アメリカ。今見ると教科書に出るレベルの時代性だな。


NASAドラマの裏返し

一見すると宇宙開発の栄光を描くエピソードっぽいが、実際は「内部不祥事」「予算削減」「英雄の苦悩」という負の側面に切り込んでいる。派手なUFOではなく宇宙と人間の闇を見せるアプローチは、野心的かつXファイルらしい。

制作背景

この回はFOX局の予算削減の影響が直撃したエピソード。宇宙やシャトルのシーンはほぼNASAのストック映像を流用して作られている。

制作チームも「お金がないから既存映像をどう編集でホラーっぽく見せるか」で頭を抱えたらしい。結果的に「顔に影が浮かぶ」CG演出が浮きまくり、ファンの間でネタ扱いされることに。

焦げ団子

まあジュラシックパークと同じ年の作品であのクオリティだもんねえ。比べるには予算が違いすぎるが。

ただ、クリス・カーターはこの回を「失敗作」とは言わず、「テレビドラマで宇宙を描く難しさを突きつけられた挑戦だった」と語っている。

評価は賛否両論だが、モルダーの憧れと英雄の苦悩を描いた点では人間ドラマ的に支持する声もある。

Xファイル『第九話:宇宙(Space)』まとめ

第9話「宇宙」は、派手な怪物とか陰謀よりも、人間の弱さや苦悩に焦点が当たってた回。モルダーが憧れてた宇宙飛行士が、実は心に深い傷を抱えていて、その葛藤が物語の中心になる。

ソ連崩壊の話題がちらっと出てきて、「少しは平和になると思ったのに…」ってセリフがすごく時代を感じさせる。あの空気感は90年代ならではだなと思った。

全体的にアクションは控えめだけど、そのぶん人間ドラマが重く響く。モルダーの夢と現実の対比とか、英雄が抱える孤独が印象に残る回だった。

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