Xファイル『第八話:氷』感想・解説|疑心暗鬼ホラーと虫グロ描写が炸裂する名作回

Xファイル シーズン1 あらすじ感想ネタバレ

X-ファイル シーズン1Blu-ray

Xファイル『第一話:序章(Pilot)』感想レビュー|若きモルダーとスカリー、衝撃の出会い

『Xファイル』シーズン1第8話――『氷(Ice)』。

アラスカの油田調査基地で研究者チームが全滅。しかも最後に残った二人は互いを撃ち合って死んでいた。

不可解すぎる事件に、モルダーとスカリーは科学者たちとともに現地へ向かう。

しかし到着した彼らを待っていたのは、通信も遮断された吹雪の孤島状態。

外に出られない閉ざされた基地の中で発見されたのは、氷の中から目覚めた謎の寄生生物だった。

寄生された人間は凶暴化し、誰が感染者なのか分からない――。

極限の状況で、仲間すら信用できない心理戦が始まる。

「政府陰謀」や「UFO」ではなく、純粋なサバイバルと疑心暗鬼。

シリーズ屈指の名エピソードとされる理由は、このシンプルで濃厚な密室サスペンスにある。

主要キャラクター紹介

⚪︎👨‍💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。

⚪︎👩 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。

⚪︎👨‍🔬  ホッジ博士
科学者チームの一人。合理主義で、疑心暗鬼を煽る役割を担う。モルダーとも激しく対立。

⚪︎👩‍🔬 ナンシー・ダ・シルヴァ博士
女性科学者。スカリーと協力しながらも、疑心暗鬼に呑まれかける。終盤まで緊張感を作り続ける存在。

⚪︎👨‍✈️ ベア
パイロット。最初に感染が発覚し、寄生虫の恐怖を観客に叩きつける犠牲者。序盤から緊張感MAXにした張本人。

⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。

⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。

目次

Xファイル『第八話:氷(Ice)』ネタバレあらすじ

Xファイル『第八話:氷』感想・解説|疑心暗鬼ホラーと虫グロ描写が炸裂する名作回

アラスカでの惨劇

冒頭は衝撃映像から。油田調査隊の最後の二人が銃を突きつけ合い、同時に引き金を引いて死亡――原因不明の惨劇

FBIはただちに調査を開始し、モルダーとスカリーが現地へ向かう。

隔絶された基地

同行するのは科学者や医師、そしてパイロット。人間以外の生き物としては犬が一匹。

到着した基地は氷に閉ざされ、通信は途絶。帰還手段も吹雪で封じられ、完全な孤立状態に。

発見された寄生生物

隊員たちの遺体を調べると、脳に奇妙な寄生虫が残されていることが判明。

氷の奥深くから掘り出されたそれは、太古から眠っていた未知の生命体だった。

しかも感染者は急激に凶暴化し、理性を失う。

疑心暗鬼の連鎖

やがて新たな感染者が現れ、チームは混乱。誰が宿主なのか分からず、互いを疑い合う状況に。

モルダーですらスカリーに疑われ、銃を向けられる緊迫シーンも。

仲間意識は崩壊し、閉ざされた空間は恐怖と不信で満ちていく。

焦げ団子

このギスギス感たまんねえな

最後の決断

寄生虫が犬に移されることで真相が解明され、ギリギリのところでチームは全滅を免れる。

しかし今回の出来事が「地球にはまだ人類の知らない古代の存在が潜んでいる」という事実を突きつけるのだった。

Xファイル『第八話:氷(Ice)』感想・見どころ

南極調査基地に潜む恐怖

凍結された氷から発見された未知の寄生生物。

宿主を狂暴化させ、仲間同士を疑心暗鬼に陥れる展開は、観ていて胃が痛くなるほどの緊張感。

モルダーとスカリーも例外ではなく、互いに「感染しているのでは」と疑い合う姿はレア。

スカリーの気迫

モルダーに対し「検査を受けなさい!」と迫るスカリーのシーンはシリーズ屈指の名場面。

普段は冷静な彼女が、切羽詰まった状況でむき出しの感情を出すのがグッとくる。

焦げ団子

いつも冷静なスカリーが声を荒げてて新鮮

密閉空間ドラマの完成度

雪に閉ざされた基地という逃げ場のないシチュエーション、次々に起こる死と疑心暗鬼。

90年代TVドラマでここまでの閉塞感を再現したのは驚異的。

モルダーとスカリーの関係性

「自分は信じろ」と食い下がるモルダーと、「私は科学で確かめる」と冷徹に対抗するスカリー。

二人の関係を象徴する「信じる/疑う」の構図が、この一話で極限まで濃縮されている。

制作背景

脚本はグレン・モーガン&ジェームズ・ウォン、演出はデヴィッド・ナッター。

構想のベースは キャンベル小説『Who Goes There?』と映画『遊星からの物体X』。つまり「閉鎖空間×寄生×疑心暗鬼」をテレビサイズに落とし込むことが狙いだった。

焦げ団子

まんま”ミニ遊星からの物体X”なのよ


撮影はカナダ・バンクーバー近郊の冷蔵倉庫や氷点下ロケで実施。俳優もスタッフも凍えながら撮影したため、キャストから「撮影中に本気で仲間割れしそうになった」との逸話も。

特殊効果の寄生虫は、当時『ザ・フライ』に関わったスタッフが制作。氷に閉じ込めた本物の虫を撮影してCGと組み合わせ、リアリティを演出。

この回の評価は批評家からも高く、「モンスター・オブ・ザ・ウィーク」路線をシリーズの定番化するきっかけになった。視聴者からは「テレビでここまでやるか」と賛否が分かれたが、結果的にXファイルの代表的エピソードのひとつに数えられる。

焦げ団子

モンスター・オブ・ザ・ウィークとは毎回ちがう怪物や事件を主人公たちが解決する、1話完結型の物語形式のこと

Xファイル『第八話:氷(Ice)』まとめ

『氷』は、ただのモンスター回じゃなくて 「疑心暗鬼そのものをモンスターにしたエピソード」 だ。

舞台は逃げ場ゼロの南極基地、敵は寄生虫よりも「お前が感染してるんじゃないのか」という人間同士の不信感。

虫グロで視聴者を震え上がらせつつ、スカリーがモルダーに銃口を突きつける場面では二人の関係性が極限まで追い詰められる。

「信じろ」と「疑う」の対立が、この一話で爆発しているのが見どころだ。

制作サイドも本気で挑んだ回で、映画『遊星からの物体X』をオマージュしながら、90年代TVドラマでここまでの密閉ホラーを成立させたのは快挙。

撮影現場の寒さと緊張感も相まって、キャストまでリアルにギスギスしていたのは笑う。

焦げ団子

シーズン1の中でも屈指に印象に残るエピソードだった

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