X-ファイル シーズン1Blu-ray

『Xファイル』シーズン1第5話のタイトルは――『ジャージー・デビル(The Jersey Devil)』。
舞台はニュージャージー州。アメリカで昔から囁かれてきた“都市伝説の怪物”が、ついにXファイルに登場する。
物語の発端は、森で発見された人間の食いちぎられた死体。
残された痕跡は、どう見ても野生動物の仕業……だが、それだけでは説明できない不可解な点が多すぎた。
調査に乗り出したモルダーは「これは都市伝説の怪物ジャージー・デビルの仕業だ」と主張。
地元警察からは鼻で笑われ、スカリーからも「また始まった」と冷めた目を向けられるが、彼は諦めない。

いやいや、2話で軍基地、3話で怪物、4話でモルダーのトラウマ、5話は都市伝説モンスター!?制作陣のネタ帳どんだけ分厚いんだよ!
そしてこの回はただのモンスター・パニックではなく、人間と野生の境界線をちょっと切なく描くのがポイントだ。
⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
⚪︎👹 ジャージーデビル
実在の都市伝説をモチーフにした人間に近い存在。モルダーが必死に追いかけるが、正体は「野生に生きる人間」っぽく描かれる。90年代らしいB級ホラー感が強い。
⚪︎🕵️♂️ 地元警察(トンプソン警部)
モルダーの調査を煙たがる典型的なおっさん警部。「そんな化け物いるわけないだろ」と決めつけムーブ。
⚪︎🧑🦱 スカリーの友人&デート相手
スカリーをディナーに誘うが、彼女が上の空なのを察するとちょっと気の毒。団子的には「どう考えてもモルダーの方が相性いいだろ」ってやつ。
⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
Xファイル『第五話:ジャージー・デビル(The Jersey Devil)』ネタバレあらすじ


森で見つかった死体
物語は1909年、森でキャラバンが襲われるシーンから始まる。
大男が現れ人を食らい、恐怖の中で撃たれて倒れる。
その後現代に場面が移り、ニュージャージー州の森で、食いちぎられた人間の死体が発見される。
警察は野生動物の仕業と断定するが、モルダーは「人間に似た存在の犯行だ」と主張する。
モルダーの執念
都市伝説ジャージー・デビルの噂を確かめるため、モルダーは森や路地を歩き回って調査。
やがて、死体をあさる長髪の半裸の人間のような存在を目撃する。



おいおい、ただの原始人っぽいけど確かに怖い!
モルダーは「人間と獣の境界にある存在だ」と考え、執念深く追跡する。
スカリーの葛藤
一方スカリーは、友人に誘われて普通にディナーやパーティーに参加。
彼女の日常と社会生活が描かれるのも本話の特徴で、「あ、スカリーって普通の社交生活してるんだな」って妙にリアル。
彼女にとってモルダーは異世界的存在であり、その対比が鮮やかに映し出される。
ジャージー・デビルの正体
捜査の中で浮かび上がったのは、ジャージー・デビルは単なる“怪物”ではなく、街の外れで生きる“野生化した人間”だったという事実。
モルダーは彼女と接触しようと試みるが、警察が介入して射殺してしまう。
彼女の遺体からは人間の女性であることが確認され、さらに森には彼女の子供らしき存在の痕跡も残されていた。
結末
ジャージー・デビルは結局“怪物”ではなく“人間に近い存在”として命を落とす。
モルダーは「人間と野生の狭間で生きざるを得なかった存在」に思いを馳せ、スカリーは「人間社会と異界の境目」を改めて考える。



人間って社会から外れた瞬間、もう怪物扱いされるんだな…
Xファイル『第五話:ジャージー・デビル(The Jersey Devil)』感想・見どころ
実在の都市伝説を題材に
この回の魅力は、アメリカに実際に伝わる「ジャージー・デビル」という都市伝説を正面から扱っているところ。
UMA好き・都市伝説好きにはたまらない題材で、Xファイルが“現実とフィクションの境界線”を絶妙に揺さぶってくる。
団子的に言うと「子どもの頃読んだ怪談図鑑が、そのままテレビドラマで動き出した感覚」だな。
モルダーとスカリーの掛け合いが冴える
スカリーの軽口がいい味出してる。
「犯人を知ってるなら彼に教えてあげたら?ジャージーデビルって」っていう小馬鹿にした冗談が笑える。
さらにモルダーが「今夜ホテルでショーやギャンブルしない?」と唐突に誘い、スカリーに「予定あるの」と断られて「えっ…まさかデート?」とショック受けるくだりも最高。



まだ5話なのにラブコメやってんじゃん
90年代らしい時代感覚
スカリーが名付け親になってる子どもの家を訪ねた時、ゴールデンレトリバーに普通にケーキ食わせてて吹いた。
今なら動物愛護団体が大騒ぎするところだろうけど、90年代だから成立してたシーン。
団子的に言うと「いや犬にケーキて!これ犬にはめちゃくちゃ体に悪いだろ!」って爆笑ポイント。
幼少期に親とこの回を観て、笑ってた思い出。
スカリーのモルダー評
スカリーが友人に「モルダーはいい男」と言っていたことが判明するのも注目ポイント。
ただ「でも彼は仕事にしか興味ないの」と続けるあたりが彼女らしい。
実際にバツイチ男性からデートに誘われても、上の空であまり楽しそうじゃない。
結果的に「結局モルダーといる方が生き生きしてるやん」って視聴者全員が思う流れ。



この二人、もう夫婦漫才の域だな。
制作背景
このエピソードは、アメリカ東海岸の有名な都市伝説 「ジャージー・デビル」 を題材にしている。
ジャージー・デビルは18世紀から語り継がれている怪物伝承で、ニュージャージー州の松林地帯「パイン・バレンズ」に棲むとされる。コウモリの翼を持った人型生物とか、半獣半人の怪物として目撃談が絶えない。地元では子供に「悪いことするとジャージーデビルにさらわれるぞ」と脅すくらい有名な存在だった。
制作陣は「アメリカ版の河童や雪女みたいな“ご当地怪談”を取り入れよう」と考え、この伝説を「実は人間の進化のはぐれ種」みたいなサバイバル寄り解釈で描いた。つまり純粋な怪物ではなく「人間に近い存在」として再構築したのがポイント。
撮影はバンクーバーの森をニュージャージーの林に見立てて行われ、野生生活を送る人間の描写に結構な苦労があった。特に「裸に近い女性が森を徘徊する」シーンは、テレビ基準ギリギリを狙った挑戦的な演出。当時の放送基準ではかなり攻めた内容だったらしい。
さらに、脚本段階では「スカリーがモルダーに対して友情以上の感情を抱くきっかけ」にする予定もあったが、最終的には軽い冗談とすれ違いに留められた。制作スタッフいわく「ここで恋愛に振るとXファイルがラブコメになってしまう」との判断でブレーキをかけたとのこと。



いやスカリーはもうモルダーのこと好きだろ
Xファイル『第五話:ジャージー・デビル(The Jersey Devil)』団子的まとめ
『ジャージー・デビル』は、ただの怪物退治エピソードかと思いきや、人間と社会の境界線を描いた切ない回だった。
都市伝説を追いかけるワクワク感に加え、野生の中で生きざるを得なかった存在が「怪物」として処理されてしまう悲劇が胸に残る。
一方で、モルダーとスカリーの掛け合いはラブコメそのもの。
ホテル誘い撃沈シーンや、スカリーの「モルダーはいい男」発言など、二人の距離感がじわじわ縮まっていくのも見どころ。
さらに犬にケーキ食わせるという90年代ならではのゆるさまで詰め込まれていて、妙に懐かしい。



ジャージー・デビルは怪物の顔をした人間ドラマ。
笑ってニヤついて、最後はちょっと切なくなる、Xファイル初の都市伝説回だ。
Xファイル:次回のお話はこちら


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