焦げ団子UFOは本当に存在するのか?
そんな問いに「YES」と答えるだけでは、Xファイルの世界は語れない。
この回で描かれるのは、宇宙人がいる/いないじゃない。
「本当に存在するのに、それを隠そうとする世界」だ。
見えない力が真実を封じ込め、真実を追う者を監視し、時には消しにくる。
そんな中、モルダーとスカリーは奇跡の人(E.B.E.)をめぐって、
政府の闇と情報操作のリアルな怖さに直面することになる。
そしてこのエピソードから、後にスピンオフまで生まれる名物キャラ、怪奇現象マニアの3人組ローン・ガンメン(Lone Gunmen)が初登場!
オタクっぽい3人組だけど、実は彼らこそ「真実に一番近い存在」かもしれない。
⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
⚪︎🧓バイアース
ローン・ガンメンの一員。堅物スーツ系オタク
⚪︎🧔ラングリー
ローン・ガンメンの一員。ロックな金髪メガネのテック系
⚪︎🧑🦰フロヒキー
ローン・ガンメンの一員。ちょっと小汚いけど情に厚い系
⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
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Xファイル『第17話:E.B.E.(E.B.E.)』ネタバレあらすじ


UFOがハイウェイに現る!?
物語は、全米のハイウェイで突如起こるUFO目撃ラッシュから始まる。
複数のドライバーや警官が空に光る謎の飛行物体を目撃。
中でも一人のトラック運転手が発砲騒ぎを起こし、モルダーたちは彼に接触する。
男の言動は怪しかったが、証拠不十分で釈放。
だがその後、モルダーとスカリーは自分たちが盗聴されていることに気づく。
イラクでUFO撃墜!?世界レベルの陰謀のにおい
ディープ・スロートが現れ、衝撃の情報をもたらす。
「数日前、イラク空軍がUFOを撃ち落とした。その残骸と“何か”をアメリカが回収している」と。
モルダーはピンとくる。
あのトラック、回収物を国内に運んでるんじゃないか?
しかしディープ・スロートの写真はウソだった
ディープ・スロートは「UFOを写した証拠写真」を提示。
モルダーは大喜びで飛びつこうとするが、スカリーが冷静にツッコミを入れる。
結果、写真は捏造と判明。
モルダー、ついにディープ・スロートを詰め寄る。
だがディープ・スロートは言う
すべての真実は、国民に知らせるべきものじゃない。
トラック運転手が“消えた”…!?
追跡を再開したモルダーたちは、あのトラックに再び遭遇。
しかし車内にいたはずの運転手が、突如として消滅。
目撃証言によると、トラックの中には「まだ生きている宇宙人の乗員」がいたらしい。
軍の施設へ潜入…だが、真実には届かない
モルダーは「これは宇宙人の事件じゃない、人間が仕組んだ偽装工作だ」と推測。
その証拠を求め、2人はとある軍施設へ潜入する。
だが施設内で彼らを止めたのは――またしてもディープ・スロート。
そしてこう語る。
乗員は……もう処分された。
Xファイル『第17話:E.B.E.(E.B.E.)』感想・見どころ
モルダーのオタク仲間、爆誕
ついに登場したのが「ローン・ガンメン(Lone Gunmen)」というヤバいオタク3人組。
電磁波で脳を読まれてるって主張するわ、謎の会報を刷ってるわ、モルダーはついに仲間見つけたと目がキラキラしてるわ
…って完全に類は友を呼ぶ状態w
スカリーも開いた口が塞がらない。
「モルダー…この人たちの話、本気で信じてるの…?💢」と呆れ顔。
モルダー、天然たらし発動
あんな人たちのことを信用するの!?という、そのスカリーの怒りに、モルダーがしれっと返した一言がこちら:
見る目はあるよ。君のこと“いい女”って言ってたし。
――って、さりげなく口説いてんじゃねえか!!!
スカリーも微妙な表情。照れるでもなく、ツッコむでもなく、「やれやれ」って顔で受け流す。
この絶妙な距離感、前半のモルスカの魅力が詰まってる。
ディープ・スロート、もはや準レギュラー
ディープ・スロートとモルダーの関係もだいぶ深まってきた。
ただこの回では、
わざとウソの情報を流したり、モルダーを翻弄したり、最終的に宇宙人を“処分した”と告白したりと、
その「味方っぽいけど信用できないポジション」がさらに不気味に強化されている。
本当に協力者なのか?それとも別の目的があるのか?
このあたりの揺さぶり方が、Xファイルの醍醐味でもある。



こういう時のモルダーって、わりと傷ついたワンコみたいでかわいいよな。
ハイウェイに現れるUFO、当時としては大迫力
今見るとちょっと合成感あるが、当時のTVドラマでこれだけのUFO演出と政府陰謀描写を詰め込んだのは相当すごかった。
ただの「未確認飛行物体」ではなく、それを隠そうとする人間たちが描かれることで、リアリティが爆上がりしてる。
焦げ団子的・制作背景まとめ|『第17話:E.B.E.(E.B.E.)』
実験テーマは「陰謀と情報統制」→ “E.B.E.”は実在する専門用語!
タイトルの「E.B.E.(Extraterrestrial Biological Entity)」は、実際にUFO研究界隈で使用されていたリアルな用語。
当時のアメリカでは、冷戦後の不安定な国際情勢や湾岸戦争(1991年)を経て、「政府が隠してる何かがある」「我々は本当のことを知らされていない」
そんな陰謀論的ムードが民間レベルで高まっていた時代。
このエピソードは、まさにその時代の空気を正面からぶち抜いた問題作だった。
ローン・ガンメン誕生の裏話 → 当初は一発キャラだった
この回で登場した「ローン・ガンメン」の3人組は、最初はただの変なオタクキャラとして登場したにすぎなかった。
けれどその陰謀論のディープさ+キャラの濃さがウケにウケて、制作陣が「これはレギュラー化しよう」と即決。
彼らが発行する会報「The Lone Gunman」もこの回で初言及され、後にスピンオフ(2001年放送)まで獲得するという大出世を遂げた。
ディープ・スロートの二重構造がここで明かされる
モルダーの協力者として登場していたディープ・スロート。
しかしこの回で、彼がモルダーに偽情報を流していたことが明らかになる。
彼はこう語る:
「真実は常にすべてを語っていいものではない。時に、守るために隠さなければならない。」
つまり彼は味方の顔をした情報操作側でもあるという、複雑なキャラ付けがこの回で完成する。
このねじれ構造は、後の「神話編」の伏線としても超重要。
まとめ
政府が隠してる何か。それに食らいついて、真実を暴こうとするモルダー。
でも今回は違った。
情報提供者のディープ・スロートでさえ、「本当のことは教えられない」と言い放つ。
「全部明かすより、黙ってた方が守れるものもある。」
これ、モルダーにとってはめちゃくちゃキツい一言だよな。
信じてた相手に、正義感だけじゃどうにもならない現実を突きつけられるって、地味に一番こたえるやつ。
さらにローン・ガンメンの登場で、モルダーの“オタク面”も炸裂するし、スカリーは「はぁ…また変な人たち紹介された…」って顔してるし、その温度差も見てておもろい。
でも最終的に浮かび上がってくるのは、「真実はいつもひとつ」じゃなくて、「真実にも都合と事情がある」っていう、地味だけど深すぎるメッセージ。



暴いて終わりじゃない。知ってしまったそのあとにどう生きるかが問われてる。
そんなXファイルらしさが、たっぷり詰まった一話だった。
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