第11話「イヴ」は、Xファイル初期の中でもかなり異色の一本。UFOや怪物ではなく、テーマは 人体実験・遺伝子操作・クローン。90年代の視聴者にとっても衝撃的で、今見てもゾッとするサイコホラー系のエピソードだ。
焦げ団子団子もかなり好きなエピソードに入るぞ!
アメリカ郊外の住宅街で、父親が血を抜かれた状態で発見されるという怪事件から物語は始まる。現場には幼い娘が一人残されており、彼女の無邪気な表情と、残酷な事件のギャップが不気味さを一層際立たせる。
モルダーとスカリーが調査を進めると、同様の手口で殺された別の家族、そしてそこに残されたもう一人の「少女」の存在が明らかに。彼女たちは驚くほどそっくりで、背後には政府の極秘プロジェクト「イヴ計画」が関わっている可能性が浮上する。
「遺伝子工学で生み出された同じ顔を持つ子どもたち」というテーマは、当時のバイオテクノロジーへの社会的な不安とも直結していて、ただのホラーではなく時代背景を反映した問題提起作でもあった。
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⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
👧 イヴの少女たち(Eve 6, Eve 7 など)
可愛らしい顔に潜む狂気。父親に愛されながら平然と殺す残酷さで視聴者を震え上がらせた。
🧬 イヴの大人たち(施設収容のクローン女性)
政府の極秘遺伝子実験で生み出された存在。高度な知能と同時に制御不能の狂気を内包している。少女たちの原型とも言える。
⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
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Xファイル『第11話:イヴ(Eve)』ネタバレあらすじ


血を抜かれた父親の死
郊外の住宅街。庭で遊んでいた少女が父親の死体を発見する。死因は大量の失血で、まるで体中の血を抜き取られたような異常な状態だった。
残された少女はあまりに冷静で、不気味なほど感情を見せない。



この少女トラウマだわ
同じ事件、同じ少女
モルダーとスカリーが調査を進めると、同様の状況で別の父親が死亡している事件が判明。しかもそこにいた少女は、最初の子どもと瓜二つ。
二人は双子ではないはずなのに、まるでコピーのように同じ顔をしていた。
イヴ計画の影
捜査の中で浮かび上がるのが「イヴ計画」。かつて政府が秘密裏に進めていた遺伝子工学の実験で、超知能と身体能力を持つ人間を人工的に作り出そうとしたものだった。
しかし、その試みは制御不能の暴力性や狂気を内包し、失敗に終わったとされている。
“イヴ”たちの存在
収容施設で発見されたのは、成長した「イヴ」たち。外見は普通の女性だが、異常な知能と狂気を持ち合わせ、まるで同じパターンで作られたコピー人間のようだった。
モルダーとスカリーは、殺人事件がこの「イヴ」たち、あるいは彼女たちから生み出された少女たちと関わっていると突き止める。
無邪気さと狂気の狭間で
残された少女たちは一見無邪気に見えるが、実は父親を殺したのは彼女たち自身であることが徐々に明らかになる。知能は高いが感情のバランスを欠き、相手を操ることにも長けていた。
モルダーとスカリーでさえも、彼女たちの罠にかかりかける。



このシーンはヒヤヒヤした
ラスト ― 終わらない連鎖
事件は一応の決着を見せるが、エピソードの最後でまた新たな「イヴ」が施設に存在していることが示唆される。
まるで同じ悪夢が繰り返されるかのように、不気味な余韻を残して幕を閉じる。
Xファイル『第11話:イヴ(Eve)』感想・見どころ
子どもの無邪気さと狂気のギャップ
イヴの少女たちは一見ただの可愛い子ども。なのに、父親に愛されていながら平然と殺してしまう残酷さにゾッとする。
あの「無垢な笑顔」と「えげつない所業」の落差が強烈で、シーズン1屈指のホラー回として記憶に残る。



何も殺すことないだろ•••
スカリーの鋭いツッコミ
モルダーがディープ・スロートと会うために、そそくさとスカリーを部屋から追い出そうとするシーン。
スカリーが「私がいちゃ困る理由でもあるのね?女でも来るの?」と半分ヤキモチみたいな問いをぶつけるのがめちゃくちゃ面白い。



モルダーの言い訳がテキトーすぎて、逆に怪しく聞こえるのも最高
モルダーとスカリーの悪運の強さ
イヴに毒を盛られかけても、偶然それに気づいて生還するモルダーとスカリー。相変わらずの強運ぶりで「この人達、どんなにピンチでも死なないんじゃ…?」と思わせる安定感。
制作背景
『イヴ(Eve)』は、Xファイル初期エピソードの中でもファンの間でトラウマ回の代表格とされる一本。
出てくるのはエイリアンでもミュータントでもなく、「少女たち」。それも、笑顔で父親を殺すという静かに狂った双子。
脚本を担当したのは、のちに『24』『HOMELAND』を手がけるコンビ:ハワード・ゴードン&アレックス・ガンサ。この回で彼らは制作陣からの信頼をがっちり掴み、以後のレギュラーチーム入りを果たす。つまり、出世作でもあるわけ。
少女たちを演じたのは、実際の双子子役エリカ&サブリナ・クルヴァ。
この子たち、不気味な演技が上手すぎる。90年代のホラードラマ史に残る名子役と言っていい。



あのクソガキっぷりが最高なんだよな
また、背景には当時の社会的な科学不安も絡んでる。
70〜80年代に注目された「優生学」「遺伝子操作」「軍事利用される科学技術」といったリアルな問題を取り込んだことで、「怖さが現実に近い」のがこの回の真骨頂。
人間そのものがモンスターになるという構図は、以後のXファイルにも大きな影響を与えることになる。
Xファイル『第11話:イヴ(Eve)』まとめ
『イヴ』は、顔は天使、中身はサイコっていう背筋凍るギャップで攻めてくる回。
しかもあの子たち、二人揃って話すとテンポ完璧、言葉選びも不気味すぎて最高。
「イヴ8」とか「イヴ9」って番号で呼ばれる感じも、ただの名前じゃなくて計画の産物って感じがしてゾッとする。
あと、モルダーとスカリーのやり取りも今回はコミカルで良かったな。こっそりディープ・スロートと会いに行こうとしてるモルダーに、スカリーが「女でも来るの?」って聞くとこ、最高。



こいつら事件以外でも牽制しあってるやんけ。
そして何より怖いのは、「これ現実にあってもおかしくないかも」って思わせるリアルさ。
宇宙人でも超能力でもない。国家が作った冷酷な天才少女ってだけで、ここまでホラーになるのすごい。
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