洋画見てて、一回はこう思ったことないだろうか。
……なんでその邦題にした??
原題はかっこよくて意味深なのに、日本公開版だけ「〜運命のラストメッセージ」とか「〜君といた、あの夏」とか一気に安っぽいラブ作品みたいなネーミングにされてたりする。
逆に、原題よりセンスあるわっていう邦題もある。原題よりしっくり来て、もう日本人の頭の中ではそれが正式名称、みたいなやつ。
で、気になるのはここ。
この差って、単なるセンスの問題なのか?それとも「市場が違うから、あえてねじ曲げてる」のか?
今回は、「邦題ダサいw」で終わらせずに、「映画タイトルってそもそも何するための言葉?」ってところから、日本版タイトル&ポスターの売り方を、マーケ素人+映画オタク目線でつついてみようと思う。
映画タイトルって何?役割と意味をもう一回ちゃんと考える
映画のタイトルって、正式名称というより「お客さんを一撃で振り向かせるためのキャッチコピー」に近い。
ポスターや配信サイトで一覧がダーッと並んだときに、まず目に入って「なんか気になる」を引き出すための看板みたいなもの。
だから、作品世界の正確な説明よりも、「一瞬で雰囲気を伝えられるか」「刺さるか」のほうを優先して、わざと盛ったり、要素を削ったりすることが多い。
ざっくり言うと、映画タイトルの仕事はこの3つ。
- 検索されやすいこと 配信・SNS時代だと特に、「なんて検索すれば出るか」まで含めて設計される。読みやすい・覚えやすい・打ちやすいは大事。
- 一秒でジャンルと空気が伝わること 『〜の恋』『〜の謎』『〜・ウォー』みたいなテンプレも、雑に見えて「恋愛っぽい」「戦争・アクションっぽい」を一撃で伝えるための記号。
- 狙いたい客層にちゃんと刺さること 同じ内容でも、「渋い原題のまま出す」のか「泣ける恋愛映画です!」と売るのかで、客層がガラッと変わる。邦題とポスターは、その映画を「誰に・どういう顔で売りたいかの宣言」でもある。
ダサい邦題? 海外オタクがざわついた日本の「ナゾ邦題」まとめ
焦げ団子ここからは、海外オタクがざわついた、日本の「ナゾ邦題」たちをいくつか紹介していく!
Army of Darkness → キャプテン・スーパーマーケット✝️悔い改めよ!✝️
原題のArmy of Darkness は直訳すると「闇の軍隊」。
ホラー映画の「金字塔」と呼ばれる有名作『死霊のはらわた』シリーズの3作目。もちろん内容もがっつりホラー寄り。
なのに、日本公開タイトルは『キャプテン・スーパーマーケット』。
誰だよそのヒーロー。たぶん当時の宣伝的には、
- 「死霊のはらわた3」だとホラーガチ勢しか来ない
- もっとコメディ寄りのトンチキ映画として売りたい
- 舞台がスーパーじゃないのに、ノリだけでスーパーって言わせたい(?)
みたいな勢いだけのマーケ判断があったんだと思う。
海外オタクからは当然、
“He’s not a captain and there’s no supermarket.”
(彼はキャプテンでもないしスーパーマーケットも出てこない。)
と総ツッコミ。
でも正直、このくらいぶっ飛んでくれた方が、30年後にネタとして残ってるのは事実なんだよな。



「死霊のはらわた」って邦題はセンスよかったのにどうしてこうなった。
Napoleon Dynamite → バス男





…あのさぁ、これなに??
原題 Napoleon Dynamite は、地味陰キャ高校生ナポレオンのお話。
アメリカでは「変な名前の変な高校生コメディ」で通じるタイトルだけど、日本版の邦題はなぜか『バス男』。
内容は冴えない高校生の日常コメディなのに、タイトルだけ見ると路線バスのラブストーリー感。
海外勢にも “Bus Man ?” とネタにされがちな、クソ邦題界のラスボス枠。
なんでこんな理由はシンプルで、
主人公がスクールバスに乗っててなんか冴えないオタクっぽくて当時『電車男』がヒットしてたとかそんなとこだろう。



キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!ってこれもうバカにしてる域だろ。
センス云々より、「その時日本で流行ってたもの全部のせしちゃった結果」感がすごい。
流行りに寄せすぎると、10年後に意味不明になる見本。
「ラブ・アクチュアリー系邦題」の量産、さすがに多すぎ問題


ここ数年の洋画邦題を見てると、「とりあえず“ラブ”か“恋”って付けとけば女子は来るだろ」っていう雑すぎるマーケ脳が透けて見えるやつがけっこうある。
代表的なのが、このへん:
- 『Crazy, Stupid, Love.』 → 『ラブ・アゲイン』原題は「イカれた、バカな、恋」くらいのニュアンスなのに、日本に来た瞬間、綺麗に整形されて意識高めな「前向き再出発ラブ♡」みたいな空気にされてる。
- 『Definitely, Maybe』 → 『ラブ・ダイアリーズ』本当は「うーん、たぶんね」くらいの、優柔不断な男の返事タイトル。邦題は「ダイアリー」って書いてるけど内容は日記はほぼ関係ない笑。
- 『He’s Just Not That Into You』 → 『そんな彼なら捨てちゃえば?』原題は「彼はそこまであなたに本気じゃないよ」っていう、割と冷静な距離感の言い方。邦題になると酔った女友達のキレ気味アドバイスみたいなテンションに変換されてて、もはや別物。
で、さらにカオスなのが「恋する◯◯」量産ゾーン。
- 『それでも恋するバルセロナ』(Vicky Cristina Barcelona)
- 『それでも恋するニューヨーク』(New York, I Love You)
この辺からもう、地名に「それでも恋する」を付けるだけの仕事になってないか?という疑惑が濃くなる。
ほかにも、
- 恋する惑星
- 恋するモンテカルロ
- 恋するマドリ
- 恋するナポリタン
……と、地名でも食べ物でも、とりあえず“恋する”を乗せればOKみたいな世界線がしばらく続いていた。



さて、散々邦題をディスりまくってきたが、次の章ではセンスの良かった邦題をご紹介していきたいと思う。
センス良すぎる邦題たち:原題超えしてる日本の映画タイトル
クソ邦題の話ばっかしてると暗くなるので、ここでちゃんと褒めておきたい“仕事人ワザ”も挟んでおく。
『The Fast and the Furious』 → 『ワイルド・スピード』
ストリートレースと強盗ミッションが合体した、車バカたちのファミリー系アクション『ワイルド・スピード』。
これ正直、センスの塊だと思ってる。
The Fast and the Furiousを直訳すると「速くて激しいやつら」みたいな、まあ普通〜なタイトルになるところを、「ワイルド」+「スピード」にギュッとまとめてとりあえずバカっぽくてすげえ!っていうのが一目で伝わるタイトルにされてるのすごくないか?
内容も
- 車バカ
- 無茶なドライブ
- 法律ギリギリ(アウト)
みたいな空気を、4文字×2単語で全部出してるの強い。



略して「ワイスピ」。覚えやすすぎてブランド化まで完了してる。


『The Shawshank Redemption』 → 『ショーシャンクの空に』
理不尽に投獄された男が、絶望の牢獄で希望と小さな反撃を積み重ねていく、静かに燃える脱獄ドラマ『ショーシャンクの空に』。
原題だけ見ると、The Shawshank Redemption(ショーシャンクの救済)っていう内容知らない人はだいたい「???」になるようなタイトル。
“Redemption”って「贖い」とか「救済」みたいな、ちょっと硬い単語なんだけど、邦題はそれを抜いて「空に」を足して、一気に“抜け感”と希望を足してきた。
刑務所モノの重さなのにラストはちゃんと空が開けていく感じがタイトルだけでうっすら感じられるのがすごい。



これもう原題よりええやん。
『The Silence of the Lambs』 → 『羊たちの沈黙』
天才食人鬼レクター博士と新人FBIの頭脳戦が冷たく刺さるサイコサスペンス『羊たちの沈黙』。
これはほぼ直訳なんだけど、日本語になった瞬間の不穏さのバランスが完璧。
「羊」「沈黙」って単語自体はそんなに怖くないのに、並べた途端になんとなく気持ち悪い感じがめちゃくちゃサイコサスペンス向きなんだよな。



変に「恐怖の殺人鬼レクター博士」とか付けられなくて本当に良かった。
『Mad Max: Fury Road』 → 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
一面荒野でカーチェイスし続ける、セリフより爆音が雄弁なロードムービー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。
これに関しては、「やりすぎ一歩手前で踏みとどまった奇跡の邦題」。
“Fury Road(憤怒の道)”をそのままカタカナにすると地味だったはずなのに、思い切って「怒りのデス・ロード」まで振り切ったの、逆に正解だったと思う。
内容も、ひたすら怒りと暴走でぶっ飛ばす映画で、全部ひっくるめて、日本語のほうがB級感込みで記憶に残る。
『Home Alone』 → 『ホーム・アローン』
置き去りにされた少年が、泥棒コンビをトラップ地獄で返り討ちにするクリスマスコメディ「ホームアローン」。
これもシンプルなんだけど、仕事きっちりなパターン。
カタカナにするだけで発音そのままだけど、単語が簡単なおかげで「家に一人残される」イメージも一瞬で伝わりやすい良タイトル。



日本人にとっても発音しやすいのもグッド。
まとめ|邦題は「ダサい・神」の前に、その映画をどう売りたいかのマーケティング
正直、邦題ってセンスいいのもあれば、やっぱ変なの多いよな〜って今回あらためて思った。
でもさ、ガチで金かかってる話題作とかは、ちゃんとカッコいいタイトルついてるのがまた生々しいんだよな。
「ワイスピ」「ホーム・アローン」みたいなやつは普通にセンスいいし、「あ〜ここは広告費と会議室の空気が違うんやろな…」っていう忖度の匂いがプンプンする。
結論:邦題は「センス」とか「正しさ」じゃなくて、どれだけ必死に売ろうとしたかが露骨に出るマーケティングの賜物。



その必死さをニヤニヤ眺めるのも、映画オタクのちょっとした楽しみだよな、ってことで締めとく。
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