「歴史の偉人=ずっとキメ顔」って、誰が決めた?
教科書や歴史の本をめくると、
あの有名な偉人たちがずらり並んでいる。
でも全員、なぜか真顔・キリッとした表情で固まってる。
…いや、そんな顔で毎日生きてるやつ、いるか?
たぶん、どこかで普通に寝坊して「やべ…」って髪ボサボサで走ってただろうし、
家じゃ腹出して昼寝して、「ふご…」とか寝言言ってたはず。
ではなぜ肖像画の偉人たちはみんなムスッとしてるのか?
焦げ団子が謎に切り込んでいく。
歴史は勝者が書く──でも、ほんとはそうじゃないよな?
教科書には載らない視点から、「焦げ目のついた歴史の裏側」をまとめました。
あやふやな知識、ここで一回焼き直していこう。
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史実から見る「キリッ顔」肖像画の理由――なんでみんなそんな真顔で盛った?
歴史の肖像画って、だいたい全員“キリッ”と決めてて、威厳も権威もMAX。
なんであんな顔ばっか残したのかというと
これ、ちゃんと理由がある。
まず威厳や権威を見せつけるため。
ヨーロッパでも日本でも
肖像画ってそもそも「俺は偉い!」「うちの家は立派だ!」って周囲にアピールする道具だった。
服装も小道具も全部“盛り”で、実際よりカッコよく・大きく・強そうに描くのが当たり前。
子孫にカッコよく見られたい!!
日本だと、
大名や武士の肖像画は「家の誇り」「家宝」として残されるから
やっぱり“決め顔”一択。
「先祖はこんなに立派だった!」って子孫や周囲への見栄も入ってる。
そしてもうひとつ、
「承認欲求」――要するに“後世にカッコよく残りたい”っていう、昔の人間らしい気持ち。
自分の評価を後世まで引き伸ばしたい、
「俺を忘れるな」「すごいと思え」っていう願いが、肖像画にはぎっしり詰まってる。
ちなみに「本物そっくり」なんて誰も期待してなかった。
「この一枚だけはカッコよく」――
今で言う“奇跡のプロフィール写真”を、後世に残したがるのが昔の偉人の本音だった、ってわけ。
肖像画と本人、本当にそっくり?――信長・ナポレオン・エリザベス1世の“盛りっぷり”考察
さて、みんな大好き「肖像画=本人説」。
結論から言えば、大半は“想像と願望の合作”。
盛るのが“歴史の標準装備”だったのは、もう断言していい。
【1. 織田信長の場合】
世に出回る“キリッ”としたあの肖像画、
どう見ても「戦国最強」なオーラ全開。
…だけど実際の信長は、面長・華奢で、声も高い中性的な人物だったと記録されてる。
(ルイス・フロイスの『日本史』参照)
冷徹カリスマどころか、
実際は繊細で情緒的だったという記録もある。
肖像画の中だけ、やたら強キャラ仕様…これ完全に“歴史の盛れ写真”。
【2. ナポレオンの場合】
英雄ナポレオンも、実際は低身長+猫背気味+庶民顔。
でも肖像画や彫像だと、「長身・イケメン・威風堂々」とまるで別人。
ジャック=ルイ・ダヴィッドの“戴冠式”なんか、
現実コンプレックスが1ミリも残ってない“完全理想化バージョン”。
リアルでは「ちょっと地味な兄ちゃん」なのに
肖像画では王族コスした無双キャラ。
【3. エリザベス1世の場合】
「盛り」への執着に関しては、エリザベス1世がぶっちぎり。
晩年なんて、シワも歯抜けも気にせず
肖像画は“永遠の美貌”キープ。
ダーンリー・ポートレートは「現実よりもはるかに若くて神々しい」。
あまりに盛りすぎて、気に入らない絵は「これ却下!」で即廃棄。
女王様の美意識こじらせすぎ案件として後世に語り継がれてる。
【4. おまけ:政略結婚の“肖像詐欺”】
ヨーロッパ王族の婚活は、
「盛りに盛った肖像画=婚活写真」が常識。
いざ本人が到着して、「……写真と違う!」で揉める案件多数。
フィリップ2世×メアリー1世、ハプスブルク家の“嫁取り肖像詐欺”など、
「マッチングアプリのプロフ詐欺」もビックリな歴史的前例が山ほど。
団子的結論
「リアルより後世ウケ優先」が歴史の真理。
“本人の再現”より“都合のいいイメージを永久保存”するのが偉人の作法。
昔から盛ってナンボ。
結局みんな本質的には「映え文化」から逃れられてない。
団子的まとめ:「盛りたくなるのも人間」――時代が変わっても根っこは一緒
偉人たちも現代人も、イケメン、美人に見られるのに必死。
キリッとした肖像画も、美肌フィルターも、
「せめてこの一枚だけはカッコよく残したい」っていう人間の性。
時代が変わっても、根っこは大して変わらない――
みんな結局、“盛れるものなら盛りたい”んだよな。
……まあ、団子も証明写真写りがよくなる角度日々研究中だぜ!
なお、変わらん模様。
歴史って、読み解けば読み解くほど面白い。
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