『オペレーション・フォーチュン』を観た。
ガイ・リッチー×ジェイソン・ステイサムの組み合わせって、もう味のわかってるカップラーメンみたいな安心感がある。
正直、なんで日本で地味扱いされてんのか意味わからん。
実際に観ると、ステイサムがいつも通りゴリゴリに主役してて普通に面白い。
テンポは軽いし、チーム全員クセだらけだし、情報戦してるはずなのに、気づいたらステイサムが全部解決してる問題も発生する。
で、ガイ・リッチーの路線でいうと完全に『ジェントルメン』側。
洒脱・軽快・口の悪いキャラ集合。
あの独特のテンポで物語を押し流していくタイプだ。
ステイサムも安定のステイサム。
特別に新しいことしてる感じはないのに、画面に出てくるだけで「はいはい強いよね、わかってる」って空気になる。
焦げ団子なんだろうかこのステイサムの実家のような安心感は。
オペレーション・フォーチュン(Operation Fortune)|あらすじ(ネタバレあり)
物語は、正体不明の超ヤバい兵器THE HANDLEが盗まれるところから始まる。
これが何なのか誰もわかってないけど、とりあえず放置したら世界が終わるレベルらしい。
で、これを取り返すために呼ばれたのが、我らがステイサムことフォーチュン。
国家が頼れるのコイツしかいないみたいな扱いをしてる時点で、もう展開が読める。
フォーチュンはクセ者揃いのチームと合流する。
- 皮肉屋で優秀な技術担当サラ
- いつも飄々としてる指揮官ネイサン
- なんでお前がいるんだ枠のハリウッド俳優ダニー
この3人がフォーチュンの足を引っ張るどころか、むしろ加速させていく。
今回の任務の肝は 「俳優ダニーを使って武器商人に接触する」 という、真面目なんだかふざけてるのかわからない作戦。
でもこれが意外と効果抜群で、ダニーが割と戦力になるのが笑える。
敵側は武器商人グレッグ・シモンズ。
金儲けが最優先のタイプで、悪党なんだけど妙に感じのいい男。
ガイ・リッチー映画に絶対いる悪いけどちょっと好きになっちゃうやつ枠。
物語後半で判明するんだけど、盗まれた兵器THE HANDLEの正体は、
高度なAIを悪用して世界経済を破壊できるシステム。
物理的な爆発じゃなくて、世界を混乱させる情報兵器として描かれてる。
最終局面では、フォーチュンたちが敵の拠点に乗り込み、ほぼステイサムの物理で全員を黙らせて、兵器のデータを奪還。
ダニーの予想外の活躍もあり、作戦は無事成功。
世界は守られた。結局フォーチュンが最初から最後まで全部強い。
そういう映画だ。
オペレーション・フォーチュン(Operation Fortune)|感想・見所
ここからは『オペレーション・フォーチュン』の魅力を語っていこうと思う。
『オペレーション・フォーチュン』のクセ者チームが面白い理由|掛け合いとバランスの妙
主人公フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)を中心にしたチームの空気がまずいい。
ハッカーのサラは皮肉屋だけど仕事は早いし、JJは新人なのに妙に度胸あるし、そこにダニーみたいなただの俳優が放り込まれてくる感じが最高にゆるい。
全員が強くて完璧ってわけじゃなくて、ところどころズレてるのがまたいいんだよな。
観てて「あーはいはい、サラが毒吐くぞ」「JJちょっと無理すんなよ」「ダニーそれ絶対やらかすやつ」って、いい意味で応援したくなるチーム。
で、そんなクセ者全員をまとめてくれるのがステイサム。
この人がいるだけで全体が締まるし、チームの雑多なノリも破綻せずに成立する。
ゆるい掛け合いとキレのある動きのバランスがちょうどよくて、ずっと観てられる。
武器商人グレッグの憎めない悪役ぶり|裏切りと駆け引きが物語の軸になる
敵ポジションのグレッグ・シモンズ(ヒュー・グラント)がまた絶妙なんだよな。
見た目と雰囲気は「やたら愛想がいい小洒落たオジサン」なのに、中身は普通にヤバい武器商人というギャップのお化けキャラ。
金になる話なら誰とでも手を組むし、逆に金にならなきゃ容赦なく切り捨てるタイプなんだけど、なぜか全然憎めねえんだよ。
あの軽さと人懐っこさのせいで「悪党なのはわかるんだけど嫌いになれない」っていう、ガイ・リッチー作品に必ず一人はいる人間味ある悪役枠の完成形。
しかもフォーチュンたちとの距離感も絶妙で、敵なんだけど会話が妙に噛み合ってしまうし、ダニーには普通に優しいし、こっちも「この人ほんまに悪いやつなん??」って戸惑う瞬間が多い。
要するに、この映画の“軽さ”と“裏社会感”のちょうど真ん中にいるキャラなんだよ。
悪人なんだけど、空気はずっと明るい。
黒いことしてるのに、根っこはどこか寂しげ。
そのアンバランスさが、話を単純な正義vs悪ではなくて、腹の探り合いだけど妙に楽しい世界にしてくれてる。



こういう憎めない悪党がいると、作品全体が一気に洒落るんだよな。
ジェイソン・ステイサムの仕事人スパイ演技が光る|意外とリアルで手堅いアクション
ステイサムも今回は意外とリアル寄りなのが面白い。
いつもの「無理やりドアぶち破って全部解決!」みたいな暴走兵器じゃなくて、ちゃんとプロのスパイとして動いてる。
変なガジェットに頼るわけでもないし、超人みたいなご都合パワーでねじ伏せる感じもない。
やってることはシンプルで、冷静で、必要なときだけ一番強い。
でもそこにちょいちょい人間味が残ってて、ただの筋肉の塊じゃないステイサムが見えるのが意外と新鮮なんだよな。
派手に暴れるというより、「はい、これは俺の仕事なんで粛々と片付けますね」みたいなスッとした強さ。
これがまた似合うんだよ。



ステイサムの説得力と落ち着きが、逆にリアルなヒーロー像になってる。
俳優ダニーの可愛げと緩さが映画の空気を変える|チームを支える意外な魅力
個人的に一番おいしいポジションだったのが、ハリウッド俳優のダニー。
武器商人グレッグに気に入られて、車をプレゼントされたときのあのテンションがまずかわいい。あのマシンをもらってウッキウキで乗り回してる感じ、「いや完全に懐柔されてるやん……」と思いつつ、見ててちょっとニヤニヤした。
おもしろいのは、ダニーがスパイでも兵士でもないただの俳優として揺れてるところ。
グレッグを裏切ったあと、ヘリコプターでまた会いに行く場面で
「合わせる顔がないよ……」
「俺だけ途中で降ろしてくれ……」
って弱気になるセリフが、めちゃくちゃ人間くさい。
ヒーローみたいに割り切ってはいないけど、完全に逃げるわけでもない。



その中途半端さが逆にリアルで、かなり好きなキャラだった。
オペレーション・フォーチュン(Operation Fortune)|まとめ
『オペレーション・フォーチュン』って、めちゃくちゃ派手なアクションってわけじゃないし、深いドラマがあるタイプでもない。
でもテンポの良さとキャラの魅力だけで最後まで持っていくタイプの気持ちいい映画だった。
ガイ・リッチーらしい洒脱な犯罪劇のノリそのままに、スパイ映画の堅苦しさよりテンポの良いエンタメとして完成していた。
重い話を観たい日には向かないけど、「なんか楽しいの観たい」「今日は頭使いたくねえ」みたいな日に刺さる一本。



地味扱いされてるの惜しいくらい、
普通におもしろい、ちゃんと楽しいガイ・リッチー作品だった。
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