梶井基次郎『檸檬』って本当に深いの?読んだけど全然わからなかった話――爆弾なのはレモンじゃなくて、名作ってことにされてる空気の方だった

『檸檬』、読んだことないと思ってたんだよな。
なのにKindle開いたら、なぜか既読になってて。


一瞬ゾッとしたけど、たぶんそのときの自分が
あまりにも意味がわからなさすぎて、読後すぐに記憶から削除したんだと思う。

で、今回こそ向き合ってみるか、と再読してみたわけだけど
うん、やっぱりわからんかった。

いや、短いし文章は読みやすい。
でも読み終えたあとに残ったのは、謎の虚無感と「で?」「だから?」の二段構え。
読後に深まる謎と、レモン。なにこれ。

でも調べてみると、
この『檸檬』、どうやら名作らしい。

文学ファンのあいだでは「青春の象徴」「繊細な心の記録」みたいに持ち上げられてるし、
教科書にも載ってるし、レビュー欄は“深い”“余韻がすごい”のオンパレード

……本当に?

てことで今回は、よくわからないまま名作扱いされてる『檸檬』を、
わからないまま全力で読み直してみた記録。
「名作なんだよ!」という空気にビビらず、素直に突っ込んでいく。

※この先は『檸檬』への愛が止まらない人や、
 「名作を茶化すなんて許せない!」という方には
 たぶん向いてません。
 (やさしい心でブラウザバック推奨!)


 「ちょっと分からん…」「本音で感想が読みたい!」って人だけどうぞ!


檸檬 (角川文庫)/梶井 基次郎 (著) 

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「何があるのかざっくり見たい」という方は、先にこっちから眺めてもOK。

目次

レモンを置いただけで名作?――謎の感動シーンを冷静に読む

ざっくり内容を振り返ると、こうだ。

主人公は、なんかずっと鬱っぽい。

金もないし、体調も悪いし、世界がモノクロみたいに見えてて、何もかも重たい。
……ってことになってるんだけど、
なんでそんなにしんどいのか、理由は一切出てこない。

仕事に疲れたとか、家族に何か言われたとか、そういう背景もゼロ。
とにかく「なんか全体的にイヤ」ってだけでページが進む。

で、気晴らしに出かけて、
果物屋でなんとなくレモンを1個買う。
(なぜレモンだったのかも謎。桃じゃだめだったのか?)

そのまま本屋(丸善)に立ち寄り
美術書を積み上げた棚の上に、レモンをポンと置いて――そのまま去る。

はい、終わり。

最後の一文では、レモンが爆弾みたいに思えて、
そのイメージが妙にハマって、気分が晴れた……らしい。

……いやいや、
これ爆弾じゃなくて普通に“置き忘れ”じゃね?

てか現代でやったらどうなんの?

丸善に果物持ち込んで勝手に陳列して帰ったら、
店員に呼び止められてSNSで炎上コース。

しかも本人は、
「いや〜あのレモンが爆弾に見えたんすよ、ふふっ」
とか言って帰ってるわけで。

…いや、これ文学じゃなくて事件だろ

雰囲気だけ名作って、たまにあるよな?

じゃあなんでこんな話が「名作」扱いされてるのかって話なんだけど――
おそらく「象徴性」とか「詩的な感性」とか、そういうやつだと思う。

よくある解釈では、
「レモン=異物=閉塞した日常へのカタルシスの象徴」みたいなこと言われてる。


……は??? ってならん?
いや、それ後からそれっぽく言ってるだけじゃない??

そもそも、これが発表されたのは昭和初期。
「意味わかんなくても“雰囲気”で文学っぽく見せる」っていう、
あの時代特有の文化ってあったと思うんだよな。

なんか抽象的でモヤモヤしてて何も断定しないものほど、
「深い」って言われる空気。

で、そのまま定着して
「あれは名作だから」で済まされて、
「何がどう名作なのか」は語られないまま文化的「既読スルー」されてる作品ってあるじゃん。

『檸檬』って、正直それ寄りだと思う。
「読んだことある」って言っとけば、“わかってる人”っぽく見える枠

つまり、「深い」って言ってる人たちも
たぶん心のどこかで「レモン置いただけやん…」って思ってる。


けど、それを口にするとわかってない人扱いされる空気がある

これ、名作というより
もはや文学的踏み絵なんじゃないか説、あるぞ。

「深い」で片づけるな――読者黙らせる最強ワード

正直なところ、『檸檬』が本当に名作なのかどうか、まだよくわかってない。
いや、文学的に評価されてるのも知ってるし、授業で褒められてたのも覚えてる。

でもそれって、「深い」って言っとけば全部許される空気、なかったか?

なんかこう…
よくわからないまま「すごいもの」として語られてる作品って、あるじゃん。


読後に「???」ってなってても、
これは文学なんだ、感じるものがあった…気がする…って
自分を説得しにかかるあの謎の時間。

で、感想欄では「余韻がすごい」「静かに刺さる」「短いのに深い」みたいなワードで埋まってる。
でも冷静になってよく考えると、
何が刺さったかも、どこが深かったかも、
具体的には書かれてない。

「深い」って言葉、便利すぎるんだよ。
わからないことを「わかろうとしないまま肯定する魔法のフレーズ」みたいになってる。

しかもそれが積み重なると、
「わかってない側が悪い」っていう無言の圧が生まれる。


そうなるともう誰も、「これ…何?」って言えなくなる。
爆弾仕掛けられてんの、こっちのほうだよな。

以上、『檸檬』レビューという名の爆弾処理班からでした。
踏んだら最後、
「わかってない人」認定される文学の地雷原、
なかなかスリルあったわ。


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