『ジュラシック・ワールド/炎の王国』レビュー|恐竜は生き物、人間は怪物。ラストが突きつける“共存”の地獄

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』レビュー|恐竜は生き物、人間は怪物。ラストが突きつける“共存”の地獄

『ジュラシック・ワールド/炎の王国(Jurassic World: Fallen Kingdom)』のレビュー、書いていこうと思う。

今作は『ジュラシック・ワールド』シリーズの第二作目、前作は新しく開園した恐竜テーマパークで遺伝子改造の新種が脱走して、パークが地獄の大崩壊になる話。

前作が「恐竜テーマパーク、案の定崩壊」だったのに対して、今作はもっと雑に言うと 「恐竜、引っ越し&闇オークション編」である。

舞台はイスラ・ヌブラル島。火山が噴火して、このままだと恐竜たちが全滅する。

そこで「保護するべきだ」「いや危険だ」「でも金になるぞ」みたいな思惑が一気に絡んできて、人間側がいつも通り揉め始める。

焦げ団子

恐竜より先に、人間が毎回やらかすの何なん?

というわけで今回は、炎の王国の

  • ここ最高だったポイント
  • ここ人類がバカすぎるポイント
  • そして恐竜が普通にかわいそうなポイント

このへん整理しながら感想書いていく。

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目次

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』あらすじ(ネタバレあり)

ジュラシック・ワールド崩壊から数年。恐竜が取り残されたイスラ・ヌブラル島で、火山が噴火寸前になって「このままだと恐竜ぜんぶ死ぬぞ」という状況になる。

ここで動くのがクレア。今は恐竜保護団体をやってて、「救出しないとダメだろ!」で資金集めに走る。

そこに支援者っぽい顔して現れるのが、ロックウッド財団側の人間(フランクリンとジアも同行)。で、クレアは以前オーウェンが育てていたラプトル「ブルーを助ける」という名目で、オーウェンを引っ張り出す。

救出作戦で島に渡るが、実態はわりと最初から胡散臭い。案の定、現場にいるのは救出チームという名の傭兵集団で、目的は保護じゃなくて捕獲して売ること

ブルーは撃たれて瀕死、オーウェンたちもはめられ死にかける。島は噴火でガチの終末モード。ギリギリで傭兵集団の船に乗り込み一部の恐竜と脱出するも船の中でもひと悶着ある。

恐竜を運ぶために眠らせてたはずが暴れたり、人間が巻き込まれたりして、道中からもう普通に地獄。

そのまま恐竜たちはアメリカ本土のロックウッド邸へ運ばれ、地下施設に収容される。ここで分かるのが、ロックウッド家の事情と、屋敷にいる少女メイジーの存在(この子がだいぶ重要)。

屋敷では恐竜の闇オークションが始まり、各国の金持ちやヤバい連中が「兵器にできる」「見世物にできる」みたいなノリで恐竜を競り落としていく。しかも目玉は、ただの恐竜じゃなくて遺伝子改造の新種“インドラプトル”

これがまた“賢い・速い・殺意高い”の三拍子で、要するに「人間が欲張った結果の最悪」。

当然、インドラプトルが檻から出て大暴れして、屋敷はホラー映画みたいな空気になる。オーウェン&クレアはメイジーも巻き込みつつ、地下の恐竜たちをどうにかしようとするが、ここで選択を迫られる。

地下には有毒ガスが漏れ始めていて、放っておけば恐竜は窒息死。でも外に出したら今度は「本土に恐竜放つ」ことになる。

で、最後にメイジーがボタンを押して、恐竜たちを解放する。理由はシンプルで、「閉じ込めて殺すのは違う」っていう感情の決断。

結果、恐竜たちは屋敷から森へ、街へ散っていき、恐竜が世界にいる状態が確定する。ラストは「もう島の話じゃない。本土で恐竜と共存(という名の地獄)が始まるぞ」で終わり。

焦げ団子

は??なにしてんねん。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』感想

焦げ団子

ここからはネタバレ全開感想を記していくぞ!

怪物じゃなく“生き物”としての恐竜描写

https://twitter.com/billboard/status/1008273099308130304?s=20

これまでのジュラシックシリーズって、恐竜はどっちかというと「怪獣」「災害」ポジだったけど、『炎の王国』はけっこう生き物寄りに振ってきたな、と思った。

まず島脱出のとき、取り残される首長恐竜(ブラキオ系のやつ)が、炎の中で悲しそうに鳴くシーン。

あれ完全に「モンスター」じゃなくて、置いていかれる動物なんだよな。分かってても普通にしんどい。

それに、頭突き恐竜のパキケファロサウルス。オーウェンとちょっと仲良くなって、闇オークション会場をぶち壊していくくだりは爽快。

「恐竜=ただの脅威」じゃなくて、「たまたま人間と利害が一致した暴れん坊の生き物」くらいの距離感になってて好き。

ブルーとオーウェンの関係も、今回はかなり丁寧に描かれてる。

単なる“最強ラプトル”じゃなくて、「信頼してる/裏切られた/それでも守る」みたいな感情の動きがちゃんとあるから、「恐竜は殺戮マシーンじゃない」っていうテーマも、説教っぽくなくスッと入ってくる感じ。

焦げ団子

小さい頃のブルーさん可愛すぎんか?


闇オークションのゲスさと、インドラプトルの怖さ

中盤の闇オークションパートは、ゲスさがちょうどよくて楽しい。

・金持ちたちが「新型兵器」として恐竜を競り落としていく
・インドラプトルを見せびらかして「これが次世代の戦争だ」ドヤ顔

焦げ団子

こういう「人間側の倫理観の終わりっぷり」がちゃんと描かれてるから、インドラプトルのヤバさが余計に引き立つんだよな。

で、そのインドラプトルに調子乗った軍人っぽいキャラが、歯をコレクションしようとして逆に食われそうになるシーン。

このシーン、映画館で観たとき隣の席の人が「こわい…やだやだ…」ってガチで震えてて、それ以来そこまで含めてセットで思い出すw

ただ正直、デザイン的なワクワク感だけで言うと前作『ジュラシック・ワールド』のインドミナス・レックスのほうがいいしれぬヤバさを感じて好きだったかなとは思う。


レクシィさん、ついに“看板アイドル恐竜”へ

ジュラシックパーク初代からいるTレックスことレクシィさん、完全にシリーズ公式アイドルポジに収まってきてて笑う。

具体的に言うと

  • 主人公たちがピンチになると、ちょうどいいタイミングで乱入して咆哮
  • 雑魚悪役を勝手に処理してくれる“お約束ムーブ”

さらに極めつけは、ブルーを助けるためにレクシィから血を輸血しようとするシーン。

クレアおばさんがレクシィの体の上でほぼロデオ状態になりながら採血してるの、「いや、誰がこの絵づら考えたんだよw」っていうレベルでカオス。

緊張感あるシーンのはずなのに、シュールすぎて笑いが勝つ。

焦げ団子

でも、こういうちょっとやりすぎなくらいのサービス精神が、ジュラシックワールドシリーズらしくて嫌いじゃない。

キャラ面では前作よりだいぶストレス減ってて好き

あとこの作品、世間的には一作目より人気ないけど、キャラだけで言うと結構好きなんだよな。

まずクレア。前作『ジュラシック・ワールド』では「仕事命のキャリアウーマン」が行きすぎてて、恐竜ナメすぎ・なんか人間としてだいぶクソ寄りみたいな印象だったんだけど、『炎の王国』ではだいぶマイルドになってる。

恐竜保護団体の代表として動いてて、ちゃんと「命に責任持つ側」になってるから、見ててイライラするキャラから、「まあ応援してもいいかな」くらいには回復してる。

それから新キャラのフランクリンジア

・フランクリン:ビビりで口だけ達者なコンピュータオタク
・ジア:現場で肝が据わってる恐竜担当ドクター

この二人がいるおかげで、シリアス一色になりすぎず、いい感じに抜け感が出てて好き。

逆に前作の『ジュラシック・ワールド』は、

  • 兄の謎の女好き設定
  • クレアの姉のメンヘラっぷり
  • そもそもクレアの性格がクソ寄り

…みたいな、人間ドラマ側のストレス要素が地味に多かった。

『炎の王国』は、その辺のノイズがごっそり減って、「恐竜」「人間のエゴ」「オーウェン&ブルー」にちゃんと集中できるのが、個人的にはかなり高評価ポイント。

まとめ|ラストの「恐竜ばらまきエンド」、いや何しとんねーーん

ラストで、「恐竜を殺すか」「世界に放つか」の二択を突きつけられて、最終的に “世界に恐竜を解き放つ” という、めちゃくちゃ重い選択をして終わるのが『炎の王国』のヤバいところ。

正直、観客目線だと「いやなにしとんねーーん!!!!」なんだけど(笑)、恐竜を“ただの兵器”として売り捌こうとする大人たち・それにブチ切れるクレアたち・「命を選ぶ選ばない」のスイッチを押さされる子どもって構図を見せたうえで、「この選択のツケは、次回作と現代社会に丸投げします」って終わり方をするのは、わりと嫌いじゃない。

1作目が「テーマパークの悪夢」なら、2作目の『炎の王国』は「恐竜が“こっち側の現実”に来ちゃう序章」で、ぶっちゃけツッコミどころは多いけど、シリーズの橋渡しとしてはけっこう印象に残る1本だったな、という感想。

焦げ団子

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