「死ぬほど高い場所で孤立したら、あなたは生き延びられますか?」
地上600メートル。はしごすらボロボロの廃タワーの上。
通信圏外。食料なし。降りる術なし。
そこに2人の若い女性が、自分の意思で登ってしまう。
しかもその理由が――「恐怖を乗り越えるため」って、ちょっと待て。
観てるこっちはもう、足の裏がゾワゾワして吐きそうなんだが!?
映画『Fall/フォール』は、シンプルな設定でここまで精神を追い詰めてくるのかと驚く、高所版・密室サバイバルの傑作。
しかも映像がエグいほどリアルで、途中から「これ本当に俳優が登ってるの?」って疑いたくなる。
そして待っているのは、友情・幻覚・裏切り・孤独……そして「落ちるか、生きるか」。
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映画『Fall フォール』あらすじと基本情報(ネタバレあり)
恋人を事故で失ったベッキー(グレイス・キャロライン・カリー)は、半年以上ふさぎ込んでいた。
そんな彼女を無理やり引っ張り出すのが、親友ハンター(ヴァージニア・ガードナー)。
彼女は動画クリエイターで、過激なチャレンジを撮影するタイプの人間。
「恐怖を乗り越えるのよ!生きるってそういうこと!」
──そう言って、地上600メートルの通信塔に登ろうと提案する。
登ってる最中からヤバい。
錆びたはしご、鳴る金属音、カメラの揺れ。
焦げ団子団子はここですでに胃がひっくり返りそう。
でも、問題は登った後に起きる。
はしごが崩壊。
2人は鉄塔の上に取り残される。
風。日差し。空腹。電波なし。地上は、豆粒サイズの世界。
最初は「助けを呼ぼう」「ドローンを飛ばそう」と冷静に動くけど、バッテリー切れ、鳥に襲われ、体力も限界。
そして中盤で発覚するのが、ハンターがベッキーの亡き夫と不倫していたという衝撃の事実。
あの時の「登ろう」という提案は、贖罪か、それとも自己満足か。
だが、ベッキーが見ていたハンターの姿は、実は幻だった。
最終的に、ベッキーは塔の上から“あるトリック”を使って助けを呼び、瀕死状態のまま救助される。
映画『FALL フォール』見どころ&感想:600mの地獄塔で起こる「幻覚・裏切り・自立」


見どころ①:高さの暴力と足元の恐怖
この映画、何がやばいって映像の高さが本気でヤバい。
グリーンバックに頼らず、本物のドローンや高所撮影が使われていて、映像がずっと「落ちそう」で不安定。
塔がギシギシきしむ音、風が吹き抜ける音、足が滑りそうになる場面。
そのすべてが「落ちたら死ぬ」という現実の恐怖に直結してる。



団子的には、足の裏から冷や汗が出た映画ランキング1位。マジで。
見どころ②:幻覚で明かされる真実と「生きる意味」
中盤から、親友ハンターのキャラが微妙に変わっていく。
最初は軽薄でテンション高いタイプだったのに、妙に落ち着いてて冷静で、やたらいい助言してくるようになる。
極めつけは、塔の最上部まで登ってドローンを充電するという役目を、なぜかベッキーが1人で担うという流れ。
「今まで率先して動いてたのに、なぜ行動しなくなったんだ?」という違和感が、観客を真実に導いていく。演出の巧みさが怖い。
見どころ③:依存する女が“自分で生きる女”に変わる瞬間
映画冒頭のベッキーは、はっきり言って自分を持ってないキャラだった。
夫を亡くし、食事もまともにできず、父親の声も聞かず、ベッドからも起き上がれない。
ハンターに「塔登ろうよ」と言われて、根拠ゼロのポジティブに引っ張られるまま命がけのクライミングに参加してしまうほど、他人任せで流されていた。
でも物語の終盤、幻覚と向き合って「もう誰にも頼らない」と決意したベッキーは別人のようだった。
冷静に判断し、鳥を狩り、生肉を食べ、命をつなぐために現実を直視し続ける姿に、「ああ、彼女はようやく自分の足で立ったんだな」と思えた。
これはただの高所サバイバルじゃなくて、依存からの卒業の物語だ。
実在する鉄塔モデルと、現実に起こる可能性
「いやいや、あんな600mの鉄塔なんて実在しないでしょ?」と思って調べたら、あった。
映画内ではあの塔は B67 と名付けられているけど、アメリカ・カリフォルニアのKXTV/KOVRタワーがモデルとされており、高さは約624m。
つまり、映画で描かれている地上600mで取り残されるという状況は、現実にも起こりうる話。
設定が荒唐無稽どころか、「実際に起きたらどうなるか」をリアルに突き詰めた恐怖だったと気づかされてゾッとした。



まあ、傷心だからってあんなところに登ろうと提案する友達の方がフィクションかもしれない。
まとめ|「落ちる」という恐怖が教えてくれるもの
この映画、高いとこダメな人はマジでやめとけ。
ガチで足すくむ。画面なのに足すくむ。変な汗かく。
でも団子的に一番「うおっ…」てなったのは、塔の上のあれこれじゃなくて、パパとの関係。
「不誠実な男のことばかり考えるんじゃなくて、自分を大切にしろ!!」ってベッキーを諭してたパパとパパの愛に気づいたベッキーとの再会。
たしかにラスト、主人公がなんとか生き延びるのも胸アツなんだけど、「依存や未練を断ち切って、自分で地に足つける」って意味では、あのパパとの再会が一番デカい回収だった気がする。
ラストはちゃんと希望もあって、賛否あるみたいだけど、団子的には「ストレートに良かった」って思えるタイプの作品だった。
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