みなさんは「ナルティメットストーム」という伝説の神ゲーをご存じだろうか。
サイバーコネクトツーというゲーム会社が、2008年にプレイステーション3向けに発売した『NARUTO−ナルト−』の世界を追体験できるアクションゲームだ。
当時のキャラゲーといえば、
「どうせクオリティ低いんでしょ?」
というナメた概念を、ド派手な演出と作り込みで木の葉隼風のごとく粉砕したあのゲームだ。
- アニメそのままのカットイン演出
- 体感で殴り合えるボスバトル
- 「これもうアニメじゃなくて映画では?」となる究極奥義
……と、「ナルト史上最高クラスのゲーム」として語り継がれてきた名作である。
そして17年後。
「正月だしゲーム三昧すっか」とSwitchを起動し、あの伝説の『ナルティメットストーム』を改めて遊んでみたところ——
焦げ団子こいつ、とんでもなくツッコミどころの多い
高級三色“苦行”団子的ゲームだった!!!
というわけで今回は、2008年発売『ナルティメットストーム』を、懐かしさ7割・ツッコミ3割くらいのバランスで真面目にレビューしていくぞ。
『ナルティメットストーム』のグラフィックが今見ても綺麗すぎる件|2008年製オーパーツ感を語る


まず最初に言わせてほしい。



これ、本当に2008年産のゲームか???
当時って、まだみんなiPhone持ってないどころか「お前それガラケーの待ち受け?」みたいな時代よ?3Gやぞ?
そんな世界線で、このセルルックと演出量は普通にバグってる。
『ナルティメットストーム』のセルルック表現の勝利|「アニメを動かす」執念がすごい
ストーム1の強みは、とにかく「アニメをそのまま動かそうとしてる」この一点に全振りしてるところ。
キャラの輪郭線、影の入り方、表情の切り替え。
ぜんぶ「3Dモデルです」って主張するんじゃなくて、アニメの一枚絵をそのまま立体化しましたけど? みたいな顔して立ってる。
17年経った今でも、「リアル寄せ」系の3Dモデルより、このくらい割り切ったセルルックのほうが時代に負けない強さあるんだな〜ってしみじみ思った。
『ナルティメットストーム』の背景の作り込みがやばい|木ノ葉の里が普通に令和クオリティ
木ノ葉の里を歩いてて一番びびったのがこれ。



今これ遊んでるの2025年だよな??
建物の看板、屋台、小物の配置、「この通りを曲がったら、あのシーンの場所だ!」っていうナルト脳に刺さるレイアウトの再現度が異常に高い。
今のオープンワールドみたいに広大ではない。
でも、狭い箱庭に “濃さ” をギュウギュウに詰めた感じがあって、ちょっと歩くだけでテンションはちゃんと上がる。
2008年当時のCC2、たぶん全員ちょっと頭おかしい(最大級の褒め言葉)。
高級三色“苦行”団子の正体|お使い・木登り・追いかけっこパートを徹底レビュー
…と、ここまではべた褒めなんだけど、このゲームの本性はここからだ。
英雄ナルト、まさかのマップ観光フルマラソン|お使い任務だらけのゲーム設計


世界を救う前に、うちの七代目候補はめちゃくちゃパシられてる。
……というより、開発側の「とにかくこの木ノ葉の里を歩き回ってくれ!」って意図がビンビンに伝わってくる作りになっている。
木の葉丸とかくれんぼしたり、ラーメンの材料を集めたり、町のあちこちで「ねえナルト、ちょっといい?」と頼まれごとをされたり——
任務を受けるたびに、遠くにいる依頼主のところまで 自分の足でダッシュして話しかけに行く → 用事を済ませる → また別の場所へ走る、の繰り返し。
こっちは「里抜け」とか「中忍試験の死の森」みたいな命のやり取りを覚悟してるのに、実際やらされるのは
「広大なマップを何往復もさせられる、ひたすら単調なお使いラリー」
というギャップ。



背景の作り込みは本当にすごいのに、遊び方が完全におつかい感マシマシなのが、ストーム1のもったいないところでもある。
レベルは上がらないのに周回だけ増える不思議な里|やり込み要素の正体
任務をこなすとお金や巻き物がもらえる。
一見「やり込み要素ありそう」に見えるけど、実際の使い道はジオラマやムービー解放などのコレクション要素がメインで、装備を整えたり、キャラを強化したりするわけではない。
しかもレベル上げの概念はなく、どれだけ任務をこなしてもナルトたちが強くなることはない。
「頑張ったぶんだけ成長するRPG」のあの快感はなく、ひたすらプレイヤーの忍耐力だけがちょっとずつ鍛えられていく。
木登りミニゲーム=左右に避けるだけの悟りゲー


修行でおなじみの「チャクラで木を駆け上がる」あの名シーン、当然ゲーム化されている。ワクワクするよな?最初は。
でも実態は、
- ナルトが画面奥に向かって全力で木を登る
- プレイヤーは 左右にしか動けない
- 爆弾や枝を ひたすら左右に避けるだけ
……という、超ストイックな縦スクロール避けゲーである。
最初の数回は楽しい。
「お〜木登りだ〜!」でテンション上がる。
が、同じような木を何本も登ってると、脳がだんだん無になります。



あれ、なんのゲームしてるんだっけ…?
ここはもう虚無ゾーン。
忍とは忍ぶことと言うけれど、ストーム1の忍びは「単調作業を耐えること」まで要求される。
森の追いかけっこ=左右移動しかできないのに妙に難しいアクションパート
そしてもう一つの名物、「森の追いかけイベント」。
こちらもやっぱり 左右にしか動けない。
キャラは全力で森の奥へダッシュするのだが、プレイヤーは左右にしか動けず、障害物と爆弾を避けながら視界の悪い森を突破。
これがまた絶妙にイラつく難易度。
木にぶつかりまくるし操作性はシビアだし、たまに「今の絶対避けられんやろ!」みたいな配置が飛んでくる。
失敗すると、もちろんやり直し。「また最初から走れ」と森に投げ返される。



赤丸追いかけるパートで15分くらい苦戦してたわ。
スマホゲーのプロトタイプみたいな足止め構造|お使いと周回で時間を削ってくる
で、この「おつかい」「木登り」「追いかけっこ」を全部まとめると、見えてくるのがこの構造。
ストーリーの名場面を見たければ、その前後で淡々と作業してチャクラ(=やる気)を削られてこい
今のスマホゲーでよくある「スタミナ消費の周回作業+たまに豪華演出」の構造を、2008年の時点でCS機でやっていた感じすらある。
つまりこのゲームの中身をざっくり分解すると、戦闘(神)/木登り(虚無)/追いつくゲーム(苦行)でできた、高級三色“苦行”団子だった、というわけだ。
それでも『ナルティメットストーム』が神ゲーな理由|サイバーコネクトツーの変態演出力


ここまで散々パシリだの苦行だの言ってきたけど、それでも最後にこう思ってしまう。



サイバーコネクトツー……やっぱ変態(褒めてる)だ。
ボスバトルの殺気がすごい|QTEの暴力でそれまでの不満が全部チャラになる
おつかいと木登りでボロボロになった心を、ボスバトルが一瞬で全部回収してくるのがこのゲームの怖いところ。
- ナルト vs サスケ
- 三代目 vs 大蛇丸
- 九尾暴走演出
全部、当時のアニメファンが欲しかったものを1.5倍増しの熱量で叩きつけてくる。
QTE(ボタン連打&タイミング入力)も、今やると「多すぎぃ!!」ってなるんだけど、成功したときのカメラワークとカットインの爽快感がエグい。



さっきまで木登りで悟り開いてたのに、ここで一気にテンションMAXまで持ってくなよ!
ってツッコミを入れながらも、結局こっちもニヤニヤしながらボタン押してる。
究極奥義の演出がもはやスタッフの命削りレベル
究極奥義を撃つたびに思う。



これ一発作るのに何人徹夜したんだ…?
カメラの寄り、背景エフェクトの入り方、途中で挟まるコマっぽいカット、そして最後のドカーン。
キャラごとの奥義(サスケの千鳥や我愛羅の砂漠葬送など)も豊富で『ナルティメットストーム』はもはやこれを見るためのゲームと言っていい。
中身だけを冷静に見ると、さっきまで「おつかい」「木登り」「追いかけゲー」やってたとは思えない。
結論:2025年に『ナルティメットストーム1』を遊ぶ価値と楽しみ方




ここまで遊んでみて、最終的な結論はこれ。



これは格ゲーじゃなくて、“最高級のナルト体験アトラクション”として遊ぶゲームだ。
- 1で作ったセルルック技術
- 究極奥義の演出ノウハウ
- 木ノ葉の里の箱庭づくり
このあたりの「試作」と「悪ふざけ」を全部詰め込んだのが1で、2と3はそこから一気に洗練させてきた後継機なんだな、っていうのが分かる。
だからこそ、今あえて1だけを単体で遊ぶと、「17年前のCC2の頭のおかしさ(褒めてる)」と「そこからの進化っぷり」が、逆にハッキリ見える。
中身はスカスカなところもあるのに、一番上の「戦闘(神)」と「アニメーション」の一口がうますぎて全部許しちゃうタイプのゲーム。
そういう意味で、『ナルティメットストーム』はやっぱり2008年製のオーパーツだったと思う。



この単調さを耐え抜いた者だけが、神演出という報酬にありつける。忍とは忍ぶこと……いや、耐えることである。
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