犬の顔を見て、「あ、これ和風の犬だ」「これは完全に外国の犬」と、なぜか一瞬で分かってしまうことがある。
柴犬や秋田犬を見ると日本っぽく感じ、プードルやダルメシアンを見ると「海外の犬だな」と直感的に思う。
犬種名を知らなくても、だ。
でもよく考えてみると不思議だ。
犬に国籍があるわけでもないし、顔に「和風」「洋風」と書いてあるわけでもない。
それなのに私たちは、犬の顔立ちだけで“日本っぽさ”や“外国っぽさ”を感じ取っている。
実はこれ、気のせいや思い込みではない。
この記事では、なぜ犬の顔を見ただけで「和風の犬」「外国の犬」だと分かってしまうのか。
焦げ団子柴犬等の日本犬と洋犬の顔立ちの違い、ルーツ、そして人間の認識に影響している文化的な要因をひも解いていくぞ!!
犬の顔のパーツ配置はなぜ違う?和風・海外風に見える理由


まず大きいのが、顔のパーツ配置そのものの違いだ。
いわゆる「和風っぽい顔の犬」――たとえば柴犬のような犬種は、
- 目が横に広めについている
- 黒目が大きく見える
- 鼻が短め
- 顔全体が平たく、丸い印象
こうした特徴を持っている。
この顔立ち、実は人間でいうと東アジア系の顔立ちにかなり近い。
目の配置や輪郭のバランスが、日本人にとって「見慣れた構造」なのだ。
一方で、「外国っぽい」と感じる犬――ダルメシアンやレトリバー系の犬は、印象がまったく違う。
- 目が縦方向に強調されて見える
- 目と目の距離が比較的近い
- 鼻先が長い
- 顔に立体感がある
こちらは、人間でいうと欧米的な顔立ちに近い構造をしている。
重要なのは、どちらが優れているか、という話ではない。
人間は無意識のうちに、「人の顔を見分けるときの基準」をそのまま犬にも当てはめている。
だから犬の顔を見ただけで、「和風」「外国っぽい」と直感的に判断してしまうのだ。



これは思い込みというより、人間の認知のクセにかなり近いんだな。
| 特徴 | 和風(柴犬など) | 洋風(レトリバーなど) |
| 目の位置 | 横に広め(平面的) | 縦・中央寄り(立体的) |
| 鼻の長さ | 短めで丸い | 長めでシュッとしている |
| 表情 | 控えめ・クール | 豊か・フレンドリー |
和犬と洋犬は何が違う?柴犬と洋犬のルーツの差


「和風の顔」「外国っぽい顔」という印象の差は、単なる見た目の好みや偶然ではない。
和犬と洋犬は、たどってきた歴史そのものがまったく違う。
柴犬や秋田犬に代表される和犬は、日本や東アジアの環境の中で、比較的自然に近い形で定着してきた犬たちだ。
狩猟や番犬として人の暮らしに寄り添いながらも、必要以上に人に媚びることは求められてこなかった。
その結果、顔立ちは極端に誇張されることなく、機能的で落ち着いたバランスに収まっている。
一方で、洋犬の多くはまったく違う道を歩んできた。
プードル、ダルメシアン、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール、ボーダー・コリー、シェパード、ブルドッグ、グレート・デーン。
これらの犬種は、長い時間をかけて人の手で選別・交配されてきた存在だ。
特にヨーロッパでは、犬は狩猟のパートナーであると同時に、貴族や上流階級の生活を彩る存在でもあった。
室内で飼われ、人と同じ空間で暮らし、「役割」や「見た目」がはっきり分かることが求められた。
その過程で、鼻の長さ、目の位置、体格、毛並みといった特徴は用途や美意識に合わせて強調されていく。
結果として洋犬の顔立ちは、立体的で、表情が分かりやすく、どこか作り込まれた印象を持つようになった。
つまり、和犬は「環境に適応して残った顔」であり、洋犬は「人為的にデザインされた顔」だと言える。



このルーツの違いが、人間に「柴犬は和風」「プードルは外国っぽい」という直感を自然に抱かせるようになったんだ。
なぜ日本人は犬を見て「和風」「外国風」と感じるのか|文化的刷り込みの影響


犬を見た瞬間に「和風だ」「外国っぽい」と感じてしまうのは、顔立ちやルーツだけが理由ではない。
もうひとつ大きいのが、文化的な刷り込みだ。
日本では、柴犬や秋田犬は長い間「日本の風景」とセットで描かれてきた。
忠犬ハチ公の像に代表されるように、秋田犬は忠誠心や我慢強さの象徴として語られる。
柴犬もまた、田舎道、四季、縁側、昔ながらの家屋といった“和”のイメージと一緒に消費されてきた。
CMやアニメ、昔話の中で、柴犬や秋田犬は自然と「日本らしさ」を背負わされている。
だから私たちは、その顔を見るだけで無意識に「和風」「落ち着いている」「日本的」と感じてしまう。
一方で、外国の犬たちも同じように刷り込まれてきた。
たとえばドーベルマン。
この犬種は、日本では警備犬、軍用犬、番犬といったイメージで描かれることが多い。
海外を舞台にした映画やゲーム、たとえば『バイオハザード』のような作品では、ドーベルマンは「スマート」「危険だがかっこいい存在」として登場する。
また、ダルメシアンといえば『101匹わんちゃん』の影響が大きい。
洋館、階段のある家、広いリビング、少し騒がしくてにぎやかな家庭。
こうした海外の生活空間とセットで刷り込まれている。
プードルにしても同じだ。
おしゃれ、都会、ヨーロッパ、サロン、どこか洗練されたイメージが先に立つ。
犬そのものより、「外国の暮らし」を象徴するアイコンとして記憶されている。
つまり我々は、犬の顔だけを見て判断しているようでいて、実際には過去に見てきた物語や映像ごと犬を見ている。
柴犬を見ると日本の風景が立ち上がり、ドーベルマンを見ると海外の緊張感あるシーンがよみがえる。



海外のかっこいい家とシュッとした洋犬の組み合わせ、めちゃくちゃ似合うんだよな!
表情の出方が違う?和犬と洋犬が性格まで違って見える理由


顔立ちやルーツ、文化的な刷り込みに加えて、もうひとつ決定的なのが表情の出方の違いだ。
和犬は全体的に、表情が控えめに見える。
口角が大きく上がりにくく、目元も穏やかで、感情の起伏が外に出にくい。
そのため、ぼんやりしているだけでも「無表情」「落ち着いている」「渋い」と受け取られやすい。
これは、日本人が好意的に捉えやすい表情でもある。
感情を過剰に主張しない、静かで距離感のある佇まいはどこか人間の日本的な振る舞いにも重なる。
一方で洋犬は、表情がとても分かりやすい。
口角が上がりやすく、口を開いているだけで笑っているように見える犬種も多い。
目元や口周りの動きが大きく、感情がダイレクトに伝わってくる。
結果として、何もしていなくても「明るい」「フレンドリー」「陽キャっぽい」という印象を持たれやすい。
この違いを生んでいるのが、顔の筋肉のつき方や、毛の生え方だ。
和犬は顔の輪郭がはっきりしていて、表情筋の動きが毛に隠れにくい分、変化が小さく見える。
洋犬は逆に、口周りや目元にボリュームのある毛があり、わずかな動きでも表情が誇張されて見える。
つまり我々は、犬の性格そのものを見ているつもりで、実際には「表情がどう見えるか」に強く影響されている。
和犬は静かに見え、洋犬は楽しそうに見える。
その積み重ねが、「和風の犬」「外国っぽい犬」という印象をより強いものにしている。



和犬のクールな感じも陽キャな犬もたまらんよな!
まとめ|和風でも外国風でも、犬はどっちもかわええ!!!
犬の顔を見て「和風だな」「外国っぽいな」と感じてしまうのは、気のせいではなかった。
顔のパーツ配置の違い。
自然に定着した和犬と、人為的に交配されてきた洋犬のルーツ。
映画やCM、物語を通じた文化的な刷り込み。
そして、表情の出方や見え方の差。
これらが重なり合って、私たちは犬の顔に「日本らしさ」や「外国らしさ」を読み取っている。
でも大事なのは、和風か洋風か、どちらが優れているか、という話ではない。
見え方が違うだけで、犬そのものの可愛さに上下はない。
結局のところ――



どっちもかわええ!!!




