歴史にだまされるな:教科書が書かない「勝者の編集」の裏側【歴史コラムシリーズ⑦】

 「“歴史は勝者によって書かれる”――この言葉、よく聞くけど本当にそうだろうか?」

 勝った側が記録を残し、負けた側の話はほとんど出てこない。 そもそも、誰が何を書き残すかって、その時点でだいぶ偏ってる。

 例えば、「よくある“○○は暴君、△△は救世主”」って断定口調の記述。

 勝者って誰?
そもそも何に勝ったの? 
あと、なんで“記録係”までセットで担当してんの?

こっちは学生時代に「覚えとけよ!」って丸暗記させられたけど、その“正解”って、全部勝った側のメモ帳じゃね?って思うときがある。 

そもそも「○○は悪人、△△は神」って、どこでそう思ったんだっけ?教科書?テレビ?ネットのまとめ記事?
もしかして、一番声が大きかったやつの言葉をそのまま飲んでるだけかもよ。(団子もけっこうやらかしてきたけどな。)


歪められた日本史 (宝島社新書)/宮崎 正弘 (著)

歴史は勝者が書く──でも、ほんとはそうじゃないよな?

教科書には載らない視点から、「焦げ目のついた歴史の裏側」をまとめました。
あやふやな知識、ここで一回焼き直していこう。

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目次

勝者のメモ帳に書かれた“都合のいい歴史”の実例集

こういう話をすると、「いやいや、でも事実は記録されてるでしょ?」って思う人もいるかもしれない。
でも、ちょっと例を見てほしい。

「項羽 vs 劉邦に潜む“社内評価”の罠」

たとえば『史記』――中国・前漢の歴史家・司馬遷が書いた超大作。

この時代、中国は「項羽 vs 劉邦」っていう天下分け目の戦をやってたんだけど、勝ったのは劉邦で、のちにを建てた人。つまり司馬遷は、劉邦の後の政権の側で生きてた人間ってわけ。

で、その『史記』の中では、項羽は「感情的で粗暴」、劉邦は「民の味方で賢い」って感じで描かれてる。
……これ、冷静に考えたら、めちゃくちゃ社内びいきの評価じゃないか?

「英雄ナポレオンは本当に英雄だったのか?」

世界史なら、ナポレオンは英雄とも言われるけど、視点を変えれば「他国を次々にぶっ潰していった侵略者」でもあるし、
アメリカ独立戦争だって、「自由のために立ち上がった民衆の勝利!」というけど、イギリス側からすれば完全に“反乱”だったわけで。

「事実」はいくらでも歪められる

つまり、誰が勝ったかで「性格」も「思想」も、場合によっちゃ“魂”すら編集されてしまう。
事実は変わらなくても、書き方は平気で変えられる。歴史って、わりとそういう“都合のいい文学”だったりする。

現代にもある“編集された真実”――企業・芸能・スポーツの闇

とはいえ、こういう情報の偏りって、別に昔の話だけじゃない。現代でも、「なかったことにされる」ってわりと普通に起きてる。

たとえば、企業の不祥事。

会見では「関係者による不適切な行為がありました」で済まされるけど、“関係者”って誰だよ、とか、“その後どうなった?”は全部カット。
都合の悪いところは曖昧にして、見せたいとこだけ綺麗にパッケージング。

それを「記録」として残されると、数年後には「そういう話だったっけ?」ってなってしまう。
あるいは、企業不祥事 記録に芸能人の炎上、スポーツ界のパワハラ事件。

当事者の証言より、スポンサー側の声明文の方が公的な情報として扱われる。でも、その公的情報に“全体の真実”が含まれてるかって言ったら、正直怪しい。

それ、ほんとに自分の考え?――脳内に保存された誰かの正解

私たちが「これが事実」「これは歴史の真実」って信じてるもの、よくよく見ると、ただ勝った誰かが編集したドキュメントかもしれない。

でも不思議なもんで、一回「教科書で習った」り「ニュースで見た」りすると、それが脳内の正解フォルダに即保存される。確認もせず、再編集もせずに。

団子もそうなのだが、たとえば「○○は悪人」「△△は名君」「あの事件はこうだった」って、自分ではちゃんと考えて決めてるつもりでも、実は、最初に流れてきた「一番声が大きかったやつの言葉」をそのまま信じてるだけだったりしない?

教科書の内容ですら、時代や政権によって“微妙に書き換えられてる”例はたくさんある。
それが偏向報道やバイアスまみれのSNSと重なってくると、もう何が「事実」だったか曖昧になる。

飲み込む前に噛め――歴史もニュースもSNSも、情報は毒にもなる

もちろん、何でもかんでも疑ってかかる必要はない。
でもせめて「その言葉、誰が、どこから、どういう立場で言ってるのか」 くらいは、ちょっと気にしてみてもいいかもしれない。

それっぽい雰囲気だけで飲み込んだ情報って、あとで毒に化けることもある。 
それがバイアスのかかった歴史でも、ニュースでも、SNSでも、けっこう同じだったりする。それは現代風の言葉で言うところの「メディアリテラシー」を磨くってことだ。

――ちゃんと噛んでから飲み込まないと、あとで効くよ。わりと。


正しく疑う: 新時代のメディアリテラシー (新時代の教養)/池上彰 (監修)

SNS時代のメディアリテラシー ――ウソとホントは見分けられる? (ちくまQブックス)/山脇 岳志 (著)

歪められた日本史 (宝島社新書)/宮崎 正弘 (著)

歴史って、読み解けば読み解くほど面白い。
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