『星の王子さま』
子どもの頃は“おしゃれな童話”くらいにしか思ってなかったけど、
大人になってガチで読んだら、難しすぎ&深すぎて脳がバグった。
これ、ほんとに子ども向け…?
むしろ大人を一撃で殴る哲学童話なんじゃないの?
今回は、焦げ団子流であの名作のバグった深みと謎をぶった切っていく。
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星の王子さま/サン=テグジュペリ (著), 浅岡 夢二 (翻訳)
あらすじ:「この旅、ぜんぶ“めんどくさい人間”の縮図」
遭難した「ぼく」と謎の少年との出会い
飛行機事故でサハラ砂漠にぶっ飛ばされた“ぼく(パイロット)”の前に、
どこからともなく謎の少年「星の王子さま」が現れる。
王子さまは自分の小さな星(B612号)で、めんどくさいバラと同居中。
だけどバラのわがまま&素直じゃなさに耐えかねて、
「オレにはもっと大事なものがあるのかも」と星を飛び出す。
本当に大切なものを探す旅へ
最初に巡ったのは、「自分が一番偉い」と信じて疑わない孤独な王様の星。
続いて、意味もなく「褒めてほしい」と叫び続ける自称スターの星、
無意味な数字ばかり数えてるビジネスマン、
地理学者の星――
どこもかしこも「大人の滑稽さ」全開で王子さまもドン引き。
中でも地理学者から「バラは短命だ」と聞かされ、
「アイツ(バラ)って…そんなに弱い存在だったのか」とショックを受ける。
最終的にたどり着いた地球――
ここで何千本ものバラや不思議なキツネと出会い
王子さまは「自分だけの特別」がどこにあるのか、迷い始める。
『星の王子さま』が難しすぎる理由と謎用語を爆速解説
…で、焦げ団子的感想を語る前に「星の王子さま」難解ポイントがありすぎて
詰まりやすい用語や背景を解説していこうと思う。
◆蛇って何?
地球で王子さまが出会う謎の“黄いろいヘビ”。
一発で人を「あの世」に送れる強キャラだけど、妙に哲学的。
童話なのに急に「死」のメタファー出してくるあたり、作者の腹黒さを感じる。
◆星の王子さまって結局なに者?
自分の星からやってきた、正体不明の美少年。
子どもだけど、やたら人生経験豊富&哲学オタク。
「子どもの純粋さ」と「人間のややこしさ」を同時に煮詰めた“謎の化身”。
◆バオバブって?
一見ただの木だけど、「放っておくと星ごと破壊する」超ヤバいやつ。
小さいうちに芽を摘まないと星が詰む=「人生のバグは早めに潰せ」って教訓。
大人になってから読んだら笑えないリアリティ。
◆羊の意味
王子さまが「羊が欲しい!」とゴネるのは、バラ(と星)を守りたいから。
でも羊は「バラも食べちゃうかも」な諸刃の剣。
守りたいものほど危うい――人生の不安と矛盾の象徴。
◆なぜバラを置いて出て行ったの?
バラのめんどくささ&自分の未熟さに疲れて、一回距離を取りたくなっただけ。
「大事なものほど重くなる」って現実、痛すぎる。
でも回り道しないと“本当の愛”にも気づけない
人間、厄介。
王子さまが出会った「めんどくさい大人」全員まとめてぶった斬る!
王子さまが旅した先で出会った変な星の住人たち、
よく見るとみんな「大人のヤバい部分」をデフォルメしたキャラばかり。
ここからは、各星のめんどくさい住人たちを団子的目線でツッコみまくっていく!
◆王様の星
「命令するのが趣味」の孤独王。
家臣ゼロなのに“権力ごっこ”に夢中。
大人の“自己満オーラ”ここに極まれり。
◆うぬぼれやの星
「褒めて!もっと褒めて!」が口癖の承認欲求モンスター。
誰も見てないのに「僕ってすごい?」と聞き続ける、SNS時代の先駆者。
◆酔っぱらいの星
「恥ずかしいから酒を飲み、酔うからまた恥ずかしい」という永久ループ星人。
自分の負の感情から一生抜け出せない哀愁のダメ大人代表。
◆ビジネスマンの星
「この星は全部俺のもの!」と数字だけをひたすら数えまくる計算機オヤジ。
数字が全てな資本主義の化身だけど、中身は空っぽ。
◆街灯の星
24時間無意味にスイッチON/OFFし続ける、真面目系ブラック労働者。
ルールを守ることが目的化して、自分をすり減らす…現代社畜あるある。
◆地理学者の星
「調査はしない、記録だけは完璧」な机上の空論おじさん。
行動せず理屈だけ。世の中こんな評論家で溢れてる。
◆地球
「大人のバカさ・寂しさ・迷走」全部盛りの超ハードモード惑星。
どこに行っても“本当に大切なもの”は見えづらい。
それでも最後に“自分だけの特別”を見つける旅。
「星の王子さま」最大の謎――なぜバラは特別なのか
星の王子さまは、地球に降りて何千本ものバラと出会う。
「自分の星にいたあのバラは、全然“特別”じゃなかったんじゃ…?」
ここで王子さま、めちゃくちゃ落ち込む。
でも、キツネとの出会いがこの物語の肝。
キツネの教え:「大事なのは“絆”だろ」
キツネいわく、
「本当に大切なものは、目には見えない」
「君があのバラに毎日水をやり、
時間をかけて世話したこと。
それが君にとっての“特別”を生んだんだ」と。
どれだけ同じバラが何千本あっても、“君のバラ”は一輪しかいない
“特別”はスペックや希少価値じゃなく、「自分がどれだけ心をかけたか」で決まる
数の多さと“唯一無二”のズレ
現代人も、SNSや現実で「誰でも手に入るもの」や「似たような人」ばっかりに囲まれる。
でも、自分だけが知ってる思い出や時間があるから、
その人(バラ)だけは絶対に代わりが効かない。
つまり、「この人じゃなきゃダメっていうややこしい執着は
実はめちゃくちゃ正しい」
ってことでもある。
団子的バラ的自意識の正体
バラって、わがままで、強がりで、素直じゃなくて
でも内心「大事にしてほしい」「特別扱いされたい」と思ってる
まさに自分にもある人間くささの象徴。
他人と同じこと言われても、「あなただけ」に言われるから心が動く。
バラは、どこか自分自身の投影でもあるかもしれない。
焦げ団子的アンサー:「運命の相手は、偶然の出会いじゃなく“時間と経験が運命にしていく”」
バラに出会ったとき、王子さまは「たった一輪の特別」だと思い込んでた。
でも地球で“何千本ものバラ”を見て落ち込む。
「俺のバラ、別に珍しくなかった…?」
だけど、キツネは言う。
「君が時間をかけて世話をし、思い出を積み重ねたから“特別”になった」
「運命の相手」ってどこかに“生まれつき決まってる人”がいて
それを引き当てるガチャじゃない。
毎日、ちょっとずつ失敗して、ちょっとずつ笑い合って
気がついたら唯一無二になってた。
“時間”こそが、誰もが探してる「運命」を作る。
運命は見つけるものじゃなく、「育てるもの」。
目に見えない思い出や関係性を時間かけて作っていくうちに
振り返ったとき初めて「こいつが運命だったのかもな」と気づく。
王子さまの死の意味。バラと再会できたのか?
王子さまの“死”――それ、別れじゃなく帰還かもしれない
ラストで王子さまは地球を去る。
蛇に噛まれて「死んだ」ように見えるけど…
実はこれ、「大事なものの元に帰るための通過儀礼」なんじゃないか。
別れのシーン=「大人と子どもの自分」の訣別
語り手(パイロット)は王子さまとの別れを悲しい卒業式みたいに受け止めてる。
でも、それは「大人になるための別れ」でもあるし
子どもの心=王子さまは、成長の途中で必ずどこかへ行ってしまう。
けど、思い出や学びはずっと心に残る。
「もう会えない」じゃなく、「心の中でずっと一緒にいる」ということだ。
王子さまはバラと再会できたのか?
ラストでは明確に王子さまがバラと再会できたか明確にされていない。
でも、団子的には王子さまは、すべてを乗り越えて「自分の星」に帰っていったと解釈している。
もう一度、あのバラの元へ。
それは死というより、「本当に大切なものと再び出会うための帰還」だったと。
君が信じるなら、王子さまはちゃんとバラと再会できた。
現実の人生も、強く願えばいつか大切なものともう一度めぐり逢うことができる。
別れのあとに訪れる再会を信じて生きていく。
それもまた、星の王子さまが教えてくれるやさしさだ。
子どもの心は死なない。
大人の心にひっそり生き続ける。
焦げ団子的まとめ「星の王子さま」
結局、人生は「バラ」みたいにめんどくさいし、
目の前の人間関係も仕事も思い通りになんてならない。
それでも「これだけは手放せない」って思えるものを
ぐちゃぐちゃ文句言いながら守っていくのが大人ってもんだろ?
「星の王子さま」
結局、めんどくさい世界で自分のバラを育てるしかないんだよ、たぶん。
※王子さまが残した“名言”については、別記事で団子的にぶった斬ってます。→【星の王子さま 名言セレクション|現代人へのラストメッセージ】
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