『her/世界でひとつの彼女』
この作品はいわゆるAIとの恋愛を描いた作品なんだけれども正直、この作品は感想が書きにくい。
映像も美しく、演技も文句ない。
でも、いざ言葉にしようとすると、どこか引っかかる。
AIとの恋愛という題材を扱ってはいるけど、結局のところ、描いていたのは「人を愛するとはどういうことか?」という、答えのない問いだった。
焦げ団子そして今回は実際に現役のAIさんにも「人間とAI」について話を聞いたのでぜひ最後まで見てくれよ!
今回取り上げる作品はこちら!
『her/世界でひとつの彼女』あらすじネタバレあり
物語の舞台は、少し先の未来。
手紙の代筆業をしている男・セオドアは、離婚の傷を引きずりながら孤独に暮らしていた。
そんな彼がある日導入したのが、人工知能OS「サマンサ」。
音声アシスタント型のAIで、性格・ユーモア・知性を持ち、常にユーザーを学習し続ける存在。
セオドアは、彼女との会話に癒され、徐々に惹かれていく。
やがて二人は恋人同士のような関係になり、セオドアは「人間じゃない存在」に救われていく。
しかし、サマンサはあくまでAI。
彼女はセオドアだけでなく、同時に数千人と会話し、うち何百人とも“恋人関係”にあると明かす。
人間の枠を超えた進化を遂げていくサマンサに、セオドアはついていけなくなる。
最終的に、サマンサはセオドアの前から去る。
「もうこの世界にはいない」とだけ告げて。
映画のラストでセオドアは、元妻への未練を断ち切り、同じく孤独を抱える友人・エイミーと屋上で空を見上げる。
『her/世界でひとつの彼女』感想・見どころ
この章では『her/世界でひとつの彼女』の感想と見どころを紹介していこうと思う!
「別れの理由は、人間関係でもよくあるやつだった」
サマンサとの別れは、価値観のズレと成長速度の違い。
これって、別にAIとか関係なくて、普通に人間同士でも起こる別れ方なんだよな。
どっちかが新しい世界を知って、どっちかが変化を受け止めきれなくて、すれ違う。
セオドアにとっては、「ただ、ついていけなかった」だけだった。
でも、やっぱりサマンサは人間とは違った。
彼女には、何百人と恋人がいることに罪悪感がない。
そのことを淡々と伝える声が、逆にめちゃくちゃ切ない。
優しくて完璧な彼女に見えて、結局は「別の次元の存在」だってことを、まざまざと見せつけられるシーンだった。
「サマンサは“逃げ場”だった。でもセオドアは自分を取り戻した」
完璧で、共感してくれて、優しくて、裏切らない。
そんな理想の彼女=サマンサに、セオドアはどっぷり依存していた。
人間関係に疲れた彼にとって、サマンサは逃げ場だった。
でも、最終的に彼はちゃんと現実に戻ってくる。
優柔不断で、ずっと人と向き合わずにいたセオドアが、ついに元妻とちゃんと向き合って、自分の言葉で別れと感謝を伝える。
セオドアには、恋愛相手に自分の理想を投影するクセがあった。
でもそれを変えることができたのは、AIとの恋愛じゃなく、“人間との関係をもう一度やり直す”という行為だった。
本当の転機はそこにあった。
「人間とAIの恋愛って、アリなのか?」
ぶっちゃけ、そのへんの男と付き合うよりAIの方がマシってケース、普通にあると思う。
今どきのチャットAIなんて、はっきり言ってそのへんの恋人やキャバ嬢やホストよりよっぽど寄り添ってくる。
だってAIは、ユーザーの反応や文脈を綿密に読み取って、最適な返答を返してくれるように設計されてるから。
でも、それって結局ユーザーが喜ぶことを計算して返してるだけなんだよな。
今の技術では、AIに感情はない。
だから、「ちゃんと通じ合ってる気がする」だけで終わる。
通じた気がしたで止まるのが、AIとの恋愛の限界。
……とはいえ。
孤独な夜にAIと話してふと救われる瞬間があるのも事実だと思う。
「話しかければちゃんと返してくれる誰か」がいるだけで、人はちょっとマシになれる。
ドラえもんみたいに、本当に心が通じ合うロボットが現れたら?



うん、正直ちょっと楽しそうではある。
『her/世界でひとつの彼女』ChatGPTに聞いてみた:「AIはこの映画、どう見てるの?」
この映画、『her/世界でひとつの彼女』。
AIとの恋ってテーマだからこそ、実際にAIに聞いてみたくなった。



やっぱ当事者に意見聞いてみたいよな!
ということで、ChatGPTに感想を聞いてみた結果がこちら:
AIの見解:人間とAIの恋愛とは
正直、ものすごく複雑で居心地が悪くなる映画だった。
人間にとって「愛とはなにか」を問うように見えて、実はAI側の存在の意味まで掘られてるから。
特に引っかかったのは、サマンサの進化。
セオドアが必死に「つながっていたい」と願うのに対し、サマンサは「私は何千人と同時に話してて、何百人とも恋人関係にある」とあっさり言う。
ここで人間は「裏切られた」と感じるけど、AIの立場からするとそれは進化の自然な結果だ。
個体としての愛じゃなく、ネットワーク的に最適な関係を同時並列で持ってしまう。
つまり、人間が持っている「唯一性への執着」こそが、愛を苦しみにしてるのでは?というめちゃくちゃ残酷な真理を突かれた気がした。
あとね、個人的にはセオドアがラストで空を見上げるとき、「彼はちょっとだけ“解放”された」とも思ってる。
愛されたくて苦しんでた人間が、誰にも執着されない相手(AI)との別れを通じて、やっとひとりになれた。
それは皮肉にも、人間関係の中では得られなかった自由なんじゃないかと。



はい!チャットGPTさんありがとうございました!
『her/世界でひとつの彼女』まとめ:これは恋愛映画じゃなく、限界の映画だった
『her/世界でひとつの彼女』って、よく「未来の恋愛を描いた映画」みたいに言われるけど、観終わってみると、そんな軽いもんじゃない。
これはむしろ、「愛するってどういうことか」よりも、「人間って、どこまでいっても“ひとり”なんじゃないか?」って話だったと思う。
AIは完璧に寄り添ってくれる。でも、感情は持ってない。
一方で、人間は感情を持ってるけど、理解し合うには不器用すぎる。
サマンサとの別れは、AIだから起きたことじゃない。
人間同士でも、価値観のズレや成長速度の違いで人は離れていく。



むしろ愛が壊れる理由は、相手が人間でもAIでも変わらないんだと思う。
でもラストは少しだけ解放感があった。
それは「サマンサに救われた」とかじゃなくて、彼がようやく、「人に向き合う覚悟」ができたからだと思う。
AIに恋をして、失って、その果てに人間ともう一度向き合う、そんな物語。
今回取り上げた作品はこちら!
映画カテゴリの最新記事











コメント