以前より『変な家』のYouTube動画(導入部のみ)が公開され小説・映画化もされ、一躍話題になった雨穴(うけつ)さん。
団子は彼の古参ファンで、指がぐるんぐるん回る奇妙な短編『Finger Panic』の頃から全部チェック済みだ。
そしてついに2025年、あの『変な家』が完全版としてアップされ、さらに10月31日には「変な地図」なる書籍も発売されるというニュースが!
焦げ団子もちろん団子は即予約済み!!
ただ正直……『変な家』のレビュー記事はもう擦られすぎて感想だらけ。
今さら「怖かった!伏線すごかった!」だけじゃ面白くない。
というわけで今回は、文化的な視点から『変な家』を読み解いていくぞ。
- なぜあの作品がここまでバズったのか?
- なぜ幽霊も出ないのに“怖い”のか?
- 「間取りホラー」ブームはどう始まり、どこに向かうのか?
- 雨穴さんという存在そのものが、今の時代に刺さる理由とは?
この記事は、Jホラー・建築・SNS・考察文化を横断して語る、考察まとめです。
「変な家」は、覆面作家・雨穴(うけつ)さんが手がけたホラー/ミステリー作品。
一見ふつうの家の間取り図を見たところから、不可解な点が次々と浮かび上がり……やがて恐るべき真相にたどり着く、というストーリー。
動画として発表された後、小説化・映画化・漫画化など様々なメディアに展開し、「間取りホラー」という新ジャンルを切り拓いた超話題作だ。
雨穴さんの公式youtubeはこちら!!素晴らしい作品がたくさん載ってます!→https://www.youtube.com/@uketsu


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「間取りが怖い」ホラーはどうやって生まれたのか?


雨穴(うけつ)さんの名前を一躍有名にしたのが、YouTube動画『変な家』。
独特の語り口や不穏な雰囲気も魅力だけど、それ以上に印象的だったのは、「間取り図」そのものが怖いという斬新すぎる設定だ。
従来のホラーとの違いは“物理構造の怖さ”
これまでの日本ホラーといえば、「幽霊」「呪い」「過去の因縁」など、“情念”に寄った怖さが主流。
『リング』や『残穢』のように、「語られないもの」を描くのが王道だった。
でも雨穴さんは、「窓の位置が変」「なぜか二重扉がある」といった、理屈は通るけど異様な構造で、物理的アプローチからも不安を煽ってくる。
パズル×人怖の構造が、じわじわ効いてくる
この構造のズレを辿っていくと、その裏には「住人の目的」や「異常な家庭環境」「犯罪の痕跡」が見えてくる。
つまりこれは、“間取りパズル”としての知的好奇心と、“ひとこわ”としての人間の闇がセットになってるわけだ。
「この家の構造、おかしくない?」という違和感が、「なんでそんな家を作ったのか」という人間ドラマに繋がってくる。



この構造がたまらん。
家が住まいではなく謎解きマップになる
安心できるはずの家という存在が、図面ひとつで「最悪の罠」に変わる。
霊も出ない。血も出ない。
でも、図面だけでじゅうぶん怖い。
これってもはや、ホラーと推理小説の中間にある新ジャンルだと思う。
そう、これこそが 「間取りホラー」 という文化の誕生だった。
SNS時代に刺さった「間取り×考察」の中毒性とは?
TikTokで爆発的拡散、ショート動画の威力
『変な家』があそこまでバズった理由。それは「ホラーとして怖かったから」——だけじゃない。
もちろん内容のインパクトもすごかったけど、バズの背景には時代性と拡散の構造がしっかりあった。
団子的に言えば、雨穴さんは時代に一番刺さる武器を、たまたまじゃなくめちゃくちゃ戦略的に使いこなしてた。
まずは拡散の土壌。
YouTubeで公開された『変な家』本編はもちろん、そこから切り抜かれた「怖い間取り◯選」みたいな動画が、TikTokやショート動画系で一気に出回った。
この「拡散されやすさ」こそが、いまの時代のホラーに必要な要素なんだよな。
考察の余白が“中毒性”を生んだ
しかも、ただの怖い映像ではなく、「考察の余白がある」という点がめちゃくちゃデカい。
視聴者が思わず突っ込みたくなる。
「え、なんでこの間取りなの?」「この部屋、なに?」……と、自然に考察したくなる構造になっている。



そう、参加型ホラーなんだよこれは。
“全部わかる”時代に残された「違和感」という武器
そして何より、この自分で読み解く感覚って、実は今ものすごく貴重になってきてる。
なぜならAIが台頭してからというもの、文章も絵も動画も、やたら「整理されすぎてる」んだよ。
全部説明されてて、全部理解できちゃう。
でもそのぶん、「空白」や「違和感」って、どんどん希少になってる。
一方、雨穴さんの作品には、それがある。余白がある。違和感がある。
答えを提示しすぎないからこそ、見る側に考察の余地が残る。
団子的に言うとこれは、「AIでは生成できない物語」だ。
雨穴作品は「人間のズレ」を描いてる
AIがいくら間取り図を描いても、不気味な合理性とか人間の意図のズレは再現できないし、雨穴さんの作品は、AIが量産する整ったプロットや派手な展開とは違い、間と違和感がメインになっている。
「なぜここに部屋があるのか」
「誰がこんな構造を必要としたのか」
そこに人間の闇や目的を感じさせる空白があるから、怖いし、考察したくなる。
しかもそれが、若年層にも届きやすい動画形式で出されてる。
日常ホラーという追い風
そしてもう一つ、タイミングとしての日常ホラーブームも追い風になっていた。
たとえば「大島てる」の事故物件サイトや、「住んではいけない家系YouTube」、さらには「訳あり不動産」のようなコンテンツ。
いま、「普通の空間が怖い」=日常ホラーにリアルな恐怖を感じる人が増えている。
結果、YouTubeからTikTok、さらに考察系ブログやX(旧Twitter)にも波及し、『変な家』は一発ネタではなく、参加型ホラー文化として拡散されていった。
スマホ越しにスワイプしながら「違和感」を探すって行為が、今のZ世代のホラー体験と見事にマッチしたんだよな。
「変な地図」へ続く、スケールアップする空白ホラー


雨穴さんは「ただの間取りホラー系」では終わらなかった
世間では「間取りホラー系YouTuber」くらいの認識だったかもしれない雨穴さん。
でもここ最近の展開スピード、明らかに何かがおかしい。
まず、『変な家』はYouTubeだけじゃなく書籍化→映画化と、異常なスピードでメディア展開されていった。
普通さ、都市伝説系のYouTube動画がここまで市民権を得るなんて考えられないわけよ。
しかも今度は『変な地図』。
つまり、完全にシリーズ化のフェーズに入ってきてる。
「変な◯◯」というジャンルの確立
「変な◯◯」って付けた時点で、ジャンル確立の動きだろこれは。
すでに、
- 変な家
- 変な家2
- 変な絵
……と来て、今回の『変な地図』でスケールが建物の外に出たわけ。
個人的には、ここから「変な町」→「変な記憶」→「変な自分」みたいに進化していって、最終的に人間の脳内が“変な間取り”になってる系オチが来ると予想してる。
もうここまでくると、ホラーの枠を超えて哲学SFなんだよな。
雨穴作品が仕掛ける社会そのものへの違和感
あと、雨穴さん作品の特徴として、視覚や構造だけじゃなく社会そのものに違和感を仕込んでくるってのがある。
たとえば、「住んじゃいけない家を、あえて“住ませてる”社会」とか。
そういう「普通っぽいけど明らかにおかしい現実」に焦点を当ててくるのが彼の恐ろしさなんだよな。
それが今度は、「古地図から読み解くミステリー」って切り口になったと考えると、日常に潜む制度や秩序の崩壊まで物語の射程に入ってる。
まとめ|雨穴さんが生み出した間取りホラー文化は、なぜここまで定着したのか?
『変な家』って、最初はただのネット発ホラーだと思われてた。
でも気づけば書籍化、映画化、シリーズ化……いまや「間取りホラー」というジャンルそのものを打ち立ててる。
これはもう、一発ネタじゃない。文化現象だ。
「見取り図が怖い」なんて、一昔前じゃ考えられなかったけど、今は誰もが生活の中にある違和感に敏感になってる時代。
だからこそ、雨穴さんの作品は今後も求められていくと思う。
そして次は、『変な地図』。
今度の“謎解きマップ”は、家の間取りどころか街全体がパズルになってるかもしれない。
団子はもちろん、すでに予約済み。



読んだら、また全力で感想記事を書くので気が向いたら見ていってください。
雨穴さんの公式YouTubeはこちら!→https://www.youtube.com/@uketsu
変な家以外にも爪あつめ・変なAI・おせちyoutuber等個性的で楽しすぎる作品がたくさん載っています
超おすすめなのでぜひチェックしてみてください


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