スカリーの元カレ(しかも同僚FBI捜査官)が、捜査中に撃たれた犯人と一緒に心停止。
…で、なぜか中身が入れ替わってた!?という回。
タイトルの「ラザロ」は、キリストに蘇らされた聖書の人物の名前。
蘇った“彼”は、元カレなのか、それとも殺人犯なのか――。
スカリーの揺れる感情と、モルダーの「明らかにおかしいだろ」な冷静っぷりが対照的で、ジワジワ怖い系のサスペンスとしてよくできてる一話。
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⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
⚪︎👨✈️ ジャック・ウィリス
スカリーの元恋人で、FBI捜査官。デュプリを追ってる最中に銃撃され、一度心停止。だが、蘇生された時には中身が別人(デュプリ)になっていた。
⚪︎🔫 ウォーレン・デュプリ
凶悪強盗犯で、ルーラのパートナー。愛と暴力でつながった危険な男。死亡後、なぜかジャックの体に意識が転移して蘇る。
⚪︎💄 ルーラ・フィリップス
デュプリの恋人にして共犯者。出会いは刑務官と受刑者。一見ロマンチックだが、最初からデュプリを利用してた可能性大。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
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Xファイル『第15話:ラザロ(Lazarus)』ネタバレあらすじ

強盗犯との銃撃戦、そして中身の転移
スカリーの元恋人でありFBI捜査官のジャック・ウィリスは、パートナーとしてウォーレン・デュプリとルーラという凶悪な強盗夫婦の捜査に当たっていた。
ある銀行での銃撃戦の中、デュプリは射殺され、ジャックも心停止。
だがその直後、ジャックは奇跡的に蘇生される。
しかし彼の様子は明らかにおかしく、まるで中身が別人になったかのようだった――。
ジャックの中には…デュプリ!?
蘇ったジャックは、かつての彼とは思えない行動を取り始める。
モルダーは彼の指紋がデュプリのものに変化しつつあることを発見し、「デュプリの意識がジャックに乗り移った」と推測。
一方スカリーは、元恋人への思いが拭えず、最初は「彼は彼よ」と信じようとするが、ジャックの異常な執着と、変化した言動に次第に疑念を抱いていく。
ヤバい愛と、スカリーの葛藤
ジャック(中身デュプリ)は、かつての相棒ルーラを探し出し、再び犯罪を再開しようとする。
だがルーラは「あなた…誰なの?」と戸惑い、ふたりの愛の軸にもズレが生じ始める。
スカリーは拉致されて人質にされながらも、「あなたはジャックじゃない、ただの幽霊だ」と言い放つ。
最終的に、ルーラが“中身ジャック”に見切りをつけ、撃ち殺す。
その瞬間、ジャックの身体からデュプリの意識が完全に消滅する。
ラスト
ルーラは逮捕され、事件は一応の決着を迎える。
だがスカリーの胸には、「ジャックは本当に戻ってきたのか、それとも最初から消えていたのか」という拭いきれない思いが残る──。
Xファイル『第15話:ラザロ(Lazarus)』感想・見どころ

スカリーの“元カレ”ジャック登場!
まずはコレ。
スカリーが「元恋人と一緒に捜査してた過去がある」っていう、今まで語られてこなかった設定が急に出てくるのが驚きポイント。
そしてそのジャックが蘇るんだけど、どう見ても様子がおかしい。
スカリーは最初「ジャックが生き返ってよかった」と信じたい気持ちと、「これはもうジャックじゃない」と気づいていく現実の間で揺れまくる。
焦げ団子いつもは理性的なスカリーが“感情面”で乱されるレアな回だ。
ヤバすぎる強盗カップル「デュプリ&ルーラ」
ウォーレン・デュプリとルーラのペアは、ある意味バカップル系サイコ犯罪者の元祖。
お互いのためなら警察でも人質でも容赦なし。
デュプリとルーラの出会い、実は「刑務官と受刑者」という禁断の関係が発端。
ルーラに恋をしたデュプリは、彼女と脱走計画を立て、そのまま凶悪カップルとして強盗を繰り返すようになる。
…って聞くとめちゃくちゃロマンチックな愛の逃避行なんだけど、よく見るとルーラは最初からデュプリのこと信じてないフシがある。
ジャック(中身デュプリ)と再会したときの反応は超冷めてて、「あんた誰?何しに来たの?」みたいな態度。
デュプリは愛してたけど、ルーラは利用してただけだった説、濃厚。
そんなルーラが最後に引き金を引くってのも、「愛の結末は自己保身」っていうXファイルらしい皮肉になってる。
ほんとに意識が乗り移ったのか?
「人格が入れ替わった」ってモルダーが真顔で言うのはXファイル的には定番だけど、今回はそれをスカリーが“目の前の人”として体感してるのが不気味すぎる。
・指紋が変わってる
・ジャックがデュプリの記憶を持ってる
・ルーラへの執着が本人レベル
これら全部、証拠なしに否定できないオカルトの典型。



スカリーの感情とも絡んでくるから、「信じたいけど信じちゃいけない」っていう板挟み感がつらい。
タイトル「ラザロ」の意味が重い
聖書で“死から蘇った男”ラザロ。
今回のジャックも、心停止から“奇跡的に”蘇った。
でも、蘇ったのは身体だけ。中身は…?
そこに「死んだ人を蘇らせるって、本当に幸せなことなのか?」って問いも含まれてる。
焦げ団子的・制作背景まとめ|『第15話:ラザロ(Lazarus)』
この回、実は最初はモルダーが“中身入れ替わり”の被害者になる予定だったらしい。
だけど制作サイド(特にFOXの上層部)が「いやいや、モルダー本人がそんなオカルトど真ん中のこと体験するのはちょっと…」とNGを出して、結果、スカリーの元カレ・ジャックを主役にした形に変更されたという裏話がある。
つまりこの話、もともとは「モルダーが自分の体でオカルトを味わう」って回だったかもしれない。



それはそれで見たいかも
脚本は何度も練り直されてて、草稿の改訂だけで5回以上。しかもクリスマス直前のドタバタ撮影だったっぽい。
撮影場所もカナダのモントリオール銀行前や、バンクーバーの地下スペースを使ってて、ロケ班けっこう頑張ってた。
監督のデヴィッド・ナッター曰く、「今回は刑事ドラマと超常現象のバランスが難しかった」とのこと。カメラの動きとか、テンポ感でオカルトっぽさを出すのにこだわってたらしい。
あと地味に注目なのが、この回でスカリーの誕生日が“2月23日”って明言されたのがシリーズ初。
焦げ団子的まとめ|『第15話:ラザロ(Lazarus)』
『ラザロ』は、ド派手なUFOもモンスターも出てこない。
でも、人間の中身がすり替わるっていう、超シンプルなのにゾッとする系のエピソードだった。
スカリーの元恋人ジャックの体に、死んだ強盗・デュプリの意識が入り込むという一つの身体の中で、二人の男の魂がせめぎ合うっていう構図がめっちゃ面白い。
そして何より怖いのが、スカリーが「これは本当にジャックなのか?」って、かつての想いと今の違和感の間で揺れることなんだよな。
Xファイルって、「信じるか、信じないか」だけじゃなくて、「信じたいけど信じきれない」っていう、人間のもやっとした弱さをめっちゃ丁寧に描く回がある。
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