90年代、地上波でこれ放送してたの正気か?ってレベルでヤバい回が来た。
タイトルは『性を曲げるもの(Gender Bender)』。
もうそのまんま、「性を曲げる存在」の話。
ニューヨークのホテルで男が死亡。現場にいたのは、美女のはずだった。
……が、目撃者の証言では――「男」だった。
なにがどうなってるんだよ!!!!
と頭を抱えるスカリーとモルダー。
そして2人は、性別が流動する変異者たちの住む村「キンドレッド」へ向かうことになる。
しかしこの村、
- スマホもテレビもねぇ
- 触れ合い禁止、性は禁止、外界の文化も禁止
- そして全員黒装束+無表情という超閉鎖的コミュニティ
しかも、殺人現場に残っていた物質を追跡したら、この村の土と一致。
つまり「この中に犯人がいる」ってことになる。
それでも住民は「よそ者を受け入れない」。
だが、唯一外に興味を持っていた若者アンドリューが、スカリーにだけ心を開いていく……が、その先に待っていたのは――
Xファイル シーズン1第一話はこちら


⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
⚪︎🧑🦱 マーティ
キンドレッドの村から脱走した“変異者”。性別を自在に変え、快楽と死を同時に与える存在。
⚪︎🧑🦰 アンドリュー
キンダレッドの構成員で、スカリーを誘惑してくる男。礼儀正しく紳士的な外見だが、突如豹変してスカリーに迫る謎のフェロモン攻撃を仕掛ける。
⚪︎キンドレッドの村の人々
アーミッシュ風の共同体で暮らす禁欲主義の集団。極端に閉鎖的で、異質な文化を築いている。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
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Xファイル『第14話:性を曲げるもの(Gender Bender)』ネタバレあらすじ


【発端】謎の“性”と快楽死事件
ニューヨークのホテルで、男性が快楽の果てに死亡。
現場には美女と思しき人物がいたがホテルマンの目撃証言では「男だった」とのこと。
第一発見者が混乱してるのかと思いきや、指紋がどれとも一致しない未知の存在だった。
…これ、ただの変態プレイじゃないぞ
【村の秘密】禁欲と信仰のコミュニティ“キンドレッド”
謎の物質を分析した結果、犯人の足に付いていた土がバーモント州の小さな閉鎖コミュニティ“キンドレッド”と一致。
白装束で静かに暮らす彼らは、外界との接触を断ち、テレビ・ラジオ・娯楽一切禁止。
性に関する話題すら“穢れ”として扱う、いわば現代の修道会。
「性は神聖なものであり、触れ合いは堕落の入口である」
でもそれだけじゃなかった。
外に興味を持ち始めた若者がいたのだ。
【マーティの誘惑】スカリーと孤独な変異者
モルダーとスカリーが村に踏み込んだことで、その性の秩序はゆっくりと、でも確実に揺らぎ始める。
特に、アンドリューと名乗る若者(外見は男性)は、スカリーに妙な親近感を抱き、こっそり接触を図る。
スカリーも最初は警戒していたが、謎のフェロモンの力でアンドリューに心を開きかける。
【正体判明】犯人の正体と性の流動
繰り返される快楽死事件の犯人は、なんとマーティと同一人物。
ただし、男にも女にもなれる存在だったのだ。
触れることで性的興奮を引き起こし、それにより相手の命を吸い取ってしまう。
快楽と死が直結する存在。それが変異者(Gender Bender)。



「性別」という概念は、この存在に通用しない。
【そして…まさかのラスト】衝撃のオチ
村ごと隠された真実。スカリーは「人間として」接したアンドリューが、実は人間ではない“何か”だったことを知る。
そしてモルダーたちが最後に目撃したのは――
農場にできたミステリーサークルだった。キンドレッドは異星人だったのだろうか。
Xファイル『第14話:性を曲げるもの(Gender Bender)』感想・見どころ


スカリー、最大の色仕掛けシーン勃発(未遂)
まさかの展開――スカリーとキンダレッドの青年アンドリューと一対一の密室。
目線が交差し、近づき、スカリーが押し倒され……!



っておいおいおい!!ここ地上波だぞ!?(団子的叫び)
しかも直後、モルダーがドアを蹴破って颯爽登場。
この構図、どう見ても「主人公がヒロインを助ける王道展開」。
だがXファイルだからこそ、この一瞬の色と暴力の交差がめちゃくちゃ重い。
性に支配される恐怖と、“信頼で繋がる関係性”の対比が生まれてる。
性が決まってない存在へのショック
犯人マーティは、男にも女にもなる変異的存在。
その変化は肉体的なものというより、視点によって違って見える、流動的な性。
- 男性の視点では美女に
- 女性の視点ではハンサムな青年に
つまり、相手が望む姿に見えてしまうのか?それとも、人間が勝手にそう認識してしまうのか?
「性とは何か」への根本的な問いを突きつけてくる。
キンドレッドの禁欲文化が意味深
白装束の村人たち、テレビもラジオも性行為も禁止。
あらゆる“快楽”を悪とし、清貧と信仰で生きる人々。
だが、そんな彼らの中から現れたのが、快楽によって人を殺す変異者マーティ。
この対比が強烈すぎて脳がバグる。



性を抑圧する文化の中から、最も暴力的な性が生まれた。
Xファイル、たまに社会風刺ぶっ込んでくるのが怖い。
最後はまさかの宇宙船オチ
ラストシーン、白装束のキンドレッドたちが去った森に、謎の宇宙船の痕跡が。
つまり、犯人マーティ含む“変異者”たちは異星人だったというオチ。



は!?!?性別曖昧な殺人鬼、異星人だったの!?!?
オカルトかと思ったらSFかよ!!!
この投げっぱなし系オチがXファイルの醍醐味。
団子的・制作背景まとめ|変異(Gender Bender)
この回、当初の脚本はめちゃくちゃ攻めてたらしい。
倫理的にも放送的にもNGな描写が多く、「これはさすがに無理!」とバッサリカット。
そこで登場したのが、禁欲を重んじる宗教コミュニティ“キンドレッド”。
彼らの清貧な世界観が、性のテーマを逆に際立たせる構造になった。
監督はロブ・ボウマン。Xファイルでの監督デビュー戦。
彼は「テレビの枠に収まらない映画的な絵作り」を意識して、あえて光量を落とし、ランタンや自然光だけで撮影するこだわりっぷり。
村のシーンはカナダの農場で撮影。
洞窟や地下施設はスタジオにセットを組み、湿度まで感じるような空間を作り上げた。
ちなみに村人たちの独特な呪文みたいなセリフは、後から追加された演出。
不気味さを出すためのスパイスとして盛り込まれたらしい。
ただし問題はラストのUFOオチ。これは脚本チーム内でも賛否あったとか。
「ちょっと急すぎる」「別の星の話になってる」などの声もあったが、製作陣としては「人間の概念に収まらない存在」にしたかったとのこと。
焦げ団子的まとめ|第14話『変異(Gender Bender)』
この回は、「性」を真正面から扱った、Xファイル初期でもかなり攻めた内容だった。
触れた相手の性欲を引き出し、殺すという、倫理ギリギリの設定。
しかもそれが性別を自在に変える存在によってなされてるという、90年代ドラマとは思えない挑戦的な構成だった。
今の放送基準だったら、間違いなくアウト。
それぐらい、タブーに踏み込んだ話だったと思う。不穏なテーマと、どこか空白を感じさせるラスト。
全てひっくるめて、これはXファイルという作品世界における奇妙な静けさを残した一本だった。
Xファイル:次回のお話はこちら


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