墜落した謎の物体をめぐり、軍が大規模な隠蔽工作を展開。
そこに「真実を追う男」モルダーが飛び込み、政府機関との全面対決に挑む――これぞXファイル!という一編がシーズン1第10話「堕ちた天使」だ。
放送当時は、UFO研究や政府の秘密工作が社会的に熱を帯びていた時期。
本作は、その空気をそのまま作品に落とし込んだ緊張感あふれる回で、モルダーの危うさと執念が濃く描かれている。
まさに「スパイ映画」さながらのスリルと、「陰謀論」をドラマに昇華したXファイルならではの魅力が凝縮されたエピソードだ。
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⚪︎👨💼 フォックス・モルダー
FBI捜査官。超常現象やUFOに強い関心を持つ「信じる者」。頭脳明晰で観察眼は鋭い。
⚪︎👩🔬 ダナ・スカリー
FBI捜査官。モルダーの相棒。医学の博士号を持ち、科学的なアプローチで事件に挑む「疑う者」。
⚪︎📡 マックス・フェニッグ
NICAP所属の熱狂的UFOマニア。モルダーを同志扱い、スカリーを「伝説の捜査官」と崇拝。実はアブダクション経験者の可能性もある濃いキャラ。
⚪︎📑 マクグラス部長
FBI本部の幹部。モルダーの行動を問題視し、Xファイル課の閉鎖をちらつかせる。組織の圧力を象徴する存在。
⚪︎🕴️ ディープ・スロート
モルダーに接触してくる謎の男。政府の機密を知っているらしいが、何を企んでるのかは一切不明。
⚪︎📂 Xファイル課
FBIの中で「超常現象事件」を扱う部署。組織内では冷遇されがち。
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Xファイル『第10話:堕ちた天使(Fallen Angel)』ネタバレあらすじ

墜落現場への潜入
ウィスコンシン州の森に未確認飛行物体が墜落したとの情報を掴んだモルダー。
軍の立ち入り制限がかかる前に現場に潜入するが、すでに米軍は「化学物質流出事故」として現場を封鎖していた。防護服姿の兵士たちが動き回るなか、モルダーはすぐさま拘束されてしまう。
マックス・フェニッグとの出会い
軍の施設に拘束されたモルダーは、そこで奇妙な男マックス・フェニッグと出会う。
UFOや政府の陰謀を信じるオタク的存在で、「NICAP(空飛ぶ円盤調査委員会)」というUFO研究団体のメンバーだと名乗る。モルダーは彼の情熱と情報収集力に驚かされるが、同時にその言動はどこか不安定で、ただの妄想とも紙一重だった。
スカリーの登場とモルダーの孤立
スカリーはFBI本部から派遣され、モルダーを釈放させる。
FBI内部ではモルダーの行動が問題視されており、マクグラス部長は「X-ファイル課の閉鎖を検討している。」と警告する。モルダーは孤立を深めるが、なおも真実を追い続ける姿勢を崩さない。
森での追跡と謎の存在
一方、墜落現場周辺では兵士たちが「見えない敵」に襲撃されていた。赤外線スコープでしか視認できないその存在は、まるで透明な宇宙生命体のようで、触れられた兵士は重度の火傷や内臓損傷を受けて死亡する。
モルダーはこの存在こそが墜落したUFOの搭乗者だと考える。
マックスの異変
マックスはUFO現象を追い求めるただのマニアかと思いきや、実は彼自身が「宇宙人によるアブダクション被害者」だった可能性が示唆される。てんかん発作のように倒れる彼の耳には不思議な痕跡があり、モルダーは宇宙存在との関わりを疑う。
ラスト ― 真実は闇に葬られる
最終的に軍は謎の存在を捕獲・排除し、現場の証拠を完全に抹消する。モルダーの必死の訴えも虚しく、公式発表は「化学事故」で統一された。
Xファイル課の存続すら危うい中、モルダーの孤独と執念だけが残される。
Xファイル『第10話:堕ちた天使(Fallen Angel)』感想・見どころ
ユーフォーマニアとの出会い
モルダーが留置所で遭遇するマックス・フェニッグは、まさに典型的なUFOマニア。彼の熱量と妄信っぷりはちょっと危ういけど、同時にモルダーと同じ真実を信じる者としての共鳴も感じられる。
しかもこのマニアが、スカリーのことを「伝説のスカリー捜査官」と呼んでいたのは爆笑ポイント。
焦げ団子本人が一番キョトンとしてたのが印象的!笑
スカリーの正論とモルダーの突っ走り
事件に首を突っ込むモルダーに対し、「なぜ正規の手順を踏まずに暴走するの」と真顔で怒るスカリー。毎度のことながら、この二人の温度差が物語を転がしていく。
兵士たちの凄惨な描写
謎の存在に襲われた兵士の姿は、放射線を浴びたかのように皮膚や体内が損傷していて、かなりグロテスク。リアルさが強すぎて、思わず「うあああ…」ってなる。
そんな中、重症兵を救うために軍医が大佐に逆らうシーンは熱かった。小さな場面だけど、人間ドラマとして光る。



あれ語られないけど地味に名シーンだろ
吹っ飛ぶモルダー
そして極めつけは、モルダーが謎の存在に豪快に吹っ飛ばされるシーン。緊張感あるはずなのに、不覚にも笑ってしまう。



シリアスとコメディが同居するのも、Xファイルの魅力のひとつ!
制作背景
この回『堕ちた天使』は、シーズン序盤のターニングポイントのひとつ。
今までは変な事件を追ってる変わり者だったモルダーが、FBI本部から本気で睨まれ始める。
そのために登場したのが、FBIのガチ上司・マクグラス部長。
あのしかめっ面で「Xファイル課、そろそろ畳むぞ」みたいなこと言い出して、「えっ、モルダーってマジでヤバいとこに足突っ込んでるじゃん…」って視聴者も実感する構成。



これまでの都市伝説っぽさが一気に組織的圧力に変わる重みがあった。
そして何よりこの回の人気者、マックス・フェニッグ。
ぶっ飛んでるけど妙に人間くさくて、しかもめっちゃ憎めない。
製作陣もこのキャラをめちゃくちゃ気に入ってて、「彼こそ、世の中の信じたいけど証拠がない人々の象徴」として描いたらしい。
モルダーとスカリーが捜査する側なら、マックスは信じて追いかける“市民代表って位置づけだな。
この回をきっかけに、Xファイルは「変な事件を解決する話」から、「モルダーという男が、世界にとって危険視されている存在なんだ」っていう裏テーマの地盤を固めていく。
Xファイル『第10話:堕ちた天使(Fallen Angel)』まとめ
『堕ちた天使』は、ただのUFO墜落エピソードじゃなくて、モルダーの孤立と執念、スカリーの現実的な目線、そして一般市民代表のマックス・フェニッグという新しい要素を一気にぶち込んできた重要回だ。
兵士たちの惨状や軍の隠蔽工作がリアルすぎて震える一方で、モルダーが吹っ飛ばされる妙にコミカルなシーンもあって、シリアスと笑いの振れ幅がえぐい。そこがXファイルの醍醐味でもある。
そしてこの回を境に、モルダーの立場がFBI内でますます危うくなり、「Xファイル課そのものが消されるかも」という緊張感がシリーズ全体に乗っかってくる。



序盤のターニングポイントとしても見逃せない一本!
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