
天気悪いし暇だから行ってきた。
横浜中華街、とある平日の18時。
雨。しかもまあまあ降ってる。
観光地なのに……人がいない。え、ここ中華街だよね?ってくらい静か。
ギラギラした漢字看板だけが無駄に元気で、 北京ダックは堂々と吊るされてるし、肉まんの蒸気は「俺の仕事ここだから」とばかりにモクモクしてる。
でも人はいない。不気味なくらい整ってて、妙に派手。
――これが、ひと気のない中華街のリアル。




そもそも横浜中華街って、ざっくり言うと
昔むかし、外国人がいろいろ来るようになった港町で、 中国の人たちが“ここに住むか”ってなってそのまま街になった場所。
関帝廟とか山下公園が近くて、「横浜きました!」って感じの観光テンプレに組み込まれてるけど、 地元民からすると「餃子食いたくなったときに行く場所」でしかない。



家からは電車で20分。近い。全然旅じゃない。
でもこの日みたいに、人が少なくて雨まで降ってると、 中華街の派手さが背景になって、めちゃくちゃ歩きやすい。
観光地らしからぬ快適さ。
中華街にしては異常に静かな“裏モード”が発動してた。


横浜中華街のガイドブック!


写真で切り取る夜の中華街――カオスとギラギラの饗宴


メイン通りに入った瞬間、脳がバグる。
「うん、これは間違いなく中華街」と思わせる絵面が瞬間最大ギラつきで襲ってくる。
北京ダックは当然のように吊るされてる。
もはや常設展示かってレベルで、吊られてるのが“日常”になってる。
パンダの形した饅頭が、無表情でこっち見てるのも地味に怖い。
たぶん中身はあんこ。なぜか眼力がある。
そして、いちご飴。
まだ現役で売られてた。しかも「タワー型」とかいう建築物に進化してた。
中華でも伝統でもない。もはや“流行の墓場”と化したノスタルジーの集合体。


看板の漢字はピカピカ、肉まんの湯気はもくもく。
とにかく“肉の主張”がすごい。
店の外観も中身も、蒸気も看板も全部「俺を見ろ!」って前のめり。
カメラ構えたら、どこ向けても全部「ザ・中華街」な写真が撮れる。
でもフォトジェニックというより──
視覚が殴られるタイプの情報過多。
カオスとギラギラの暴力。さすが中華街。容赦ない。
夜の占い館、もはや昭和の探偵ドラマ


日が落ちて、通りがしっとり暗くなると、今度は占い館たちがザワザワ動き出す。
雨のせいで、ネオンがビッカビカに反射してて、まるで昭和の探偵ドラマみたいな“ヤレ感”が漂ってる。
入り口に貼ってある紙は、何語かわからん筆跡のポスターだったり、「性格当てます!霊視やってます!」っていう情報の洪水みたいな謎キャッチコピーだったり。
そして、呼び込みの声が異常にデカい。
何を言ってるかじゃない、勢いと気合で押し切るタイプ。
こういうのが中華街の夜の“もうひとつの顔”なんだろうな…
って思いながら、足早に通り過ぎた。



ま、あとで捕まるんだけどね。
閉まってるのに圧がすごい。謎のパンダ推しショップ


ふと脇道に目をやったら、ドン。
巨大なパンダが、こちらを見下ろしていた。動かないし、光らないけど、存在感がバグってる。
え?何?こわ。ってなりながら店を見たら──
閉まってた。完全に閉まってるのに、パンダの圧だけはフル稼働。
ウィンドウ越しにぬいぐるみがギュウギュウに詰め込まれていて、ちょっと目が合うと心を読まれそうになる。
何の店かはわからない。
ただ、パンダを愛してることだけは理解できた。
中華街って、こういう“情報が足りないのに圧だけ強い店”が普通にある。
あの謎の安心感と恐怖の同居、けっこうクセになる。



ちょっと薄汚れてるのが余計に怖えよ。
「横浜博覧会」とかいう情報のごった煮ワールド


名前に惹かれて入った「横浜博覧会」というお土産屋。
“博覧会”と名乗るからには、なにか壮大なテーマ展示かと思いきや…
- 横浜グッズ
- パンダグッズ
- そしてなぜか大阪万博グッズ
↑え?どういう分類??
いや、分類の概念が存在しないのか。
この空間にあるのは“物”だけ。カテゴリは置いてきた。
でもそれが逆に潔くて、「あー中華街だな」って思った。
ちなみに店の一角に、クレミアのソフトクリームがさりげなく鎮座していて、
個人的にはそれが最大の推しだった。
横浜でも数少ない、ちゃんとしたクレミアが食べられる店として評価したい。
物量と混沌と甘味。
横浜中華街の要素がギュッと詰まったお土産屋だった。
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占いの館で、まさかの人生査定を食らう


雨の中華街、暇だし占いでも…と軽いノリで吸い寄せられるように入った一軒の占いの館。
小さな机、ビニールの仕切り、謎の貼り紙。そして奥から出てくる、やたら貫禄のある女性。
席に着いて3秒後──
「結婚しないの?その気ある?」



いきなりぶっ込んできたな。
「いや、まあ…いい人がいれば…」と濁すと、そこから地雷踏み抜き型人生レビューが始まった。
「自分の意思を曲げない。人に合わせようとしない。あとマイペースで頑固」
「直感型。損得より“空気”で決める」
「人の本質を見るのが早いから、つい査定しがち」
「引きこもってるから、もっと外に出なさい。モテ期が来る。特に会社以外ね」
いや、テンプレかと思ったけど……妙に刺さるのが腹立つ。
さらにとどめの一言。
「会社員向いてないわよ。事業やれば花開くけど、組織にいると“ただの人”で終わる」
まさか中華街で「あなたは中途半端な社畜です」と言われるとは思ってなかった。
知らないオバチャンに、完全に“中の人”を見破られてしまった。
「今やってるそのサイト活動?(←焦げ団子ブログのこと)」
「それは続けてOK。半年〜2年でいい人と縁があるから。」
え、そこまで言う!?
なんかもう「履歴書読みました?」みたいな感覚でゾワッとする。



その1ヶ月後、本当に会社を休職することになろうとは
焦げ団子はまだ知らない
あとから聞くと、その占い師さん──占い歴40年の大ベテランだったらしい。
どうりで目がギラついてたわけだ。
雨の平日、ひと気のない中華街で、ガチの人生刺し込みレビューを食らえるとは思わなかったけど──
それもまた、中華街の静かな醍醐味かもしれない。
手相で大体わかるらしい


フカヒレチャーハン、想定外の大盛りに沈む


すっかり夜も更けて、そろそろ腹が減ってきた。
「チャーハンでも食べて帰るか」と、軽いノリで中華料理店へ。
今回お邪魔したのはこちら。横浜中華街・大通り沿いにある海源酒家(台湾小籠包専門店)さん。
台湾小籠包をメインに、中華街らしい豪華な点心&宴会メニューを持つお店。
店構えも大きくて、席数も個室も多めだから一人でもよし・何人かで行ってもよし、使い勝手がいい。
小籠包がウリらしいけど、実際は138品の中華メニューが並ぶ、食べ放題もやってるわりと本気の店。
頼んだのは、フカヒレチャーハン。
ちょっと背伸びした気もしたけど、「中華街だし当たり前にうまいやろ」という慢心もあった。
──が、運ばれてきた皿を見て絶句。
デカい。
いやほんとにデカい。宴会か?というボリューム感。


しかも上にフカヒレスープ風のとろみ餡がしっかりかかってる。
これだけで定食になるやつじゃん。さらに、謎の親切でスープまで別でついてきた。
ありがたい。
……が、胃袋は限界。
しかも、シューマイも一緒に頼んでいたという愚行。
完全に満腹警報フル発動。



もう食べられません泣
ちなみにシューマイ自体は、ふわふわでしっかりエビの旨味があるやつで大当たりだった。




泣く泣く半分以上残して、「持ち帰りできますか?」と店員さんに聞いてみたら厨房で中国語が飛び交い、すぐに丁寧に包んでくれた。
店員さんの対応は、終始にこやかで丁寧。
変に干渉されることもなく、ちょうどいい親切さがありがたかった。
あのボリューム、あの優しさ。
中華街の胃袋を試してくる系の洗礼を食らいながら、
「また来よ」と思いつつ、胃をさすりながら店を後にした。
帰り道――お土産は月餅2種


帰りがけに、ちゃっかり月餅をお持ち帰り。
選んだのは、黒ゴマ味と、名前だけで気になった炸麻餅(ザーマージャオ)味。
炸麻餅って何者?って話なんだけど、これはいわゆる揚げごま餅系の中華スイーツで、外サクッ中モッチリのやつ。
その風味が月餅の餡になってるから、甘みより香ばしさが前に来る、ちょっと変化球タイプ。
一方、黒ゴマの方は安定の濃厚ペースト爆弾。
香ばしさと甘さのバランスが絶妙で、あんこのパンチ力とはまた違う黒い甘さって感じ。



カロリー?そんなもんは明日考えるわ。
今日の団子は、中華の餡と油と粉のパワーに全振りして帰るだけ。
美味いもんは正義。異論は受け付けない。
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横浜元町中華街、まとめレポ


リモートワーク明けにふらっと寄った中華街。
ただの散歩のつもりだったのに、気づけばがっつりカオスに巻き込まれていた。
雨で観光客も少なく、静かすぎるネオン街に妙な風情が漂ってて、パンダは無言でこっちを睨み、小籠包の誘惑はそこらじゅうから聞こえてくる。
占い師には人生バッサリ切られるし、チャーハンは宴会サイズで胃が沈む。
そんな街あるか?って思いながら、月餅を片手に家路についた。
思いつきで動くと、だいたいハズすけど、たまにこういう予想外に全部濃かった日がある。
そしてそういう日は、ちゃんと残る。
たった20分で行ける場所でも、ちゃんと旅になる。
きっかけは小さくていい、やっぱり動いたもん勝ち。
団子的にはまた気が向いたときに、気まぐれでどっか迷い込む予定。
湿度ゼロ、冷めた目線で、次はどこを切ってやろうか。
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